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米国が1940年代から急速に発展させた中央集権的コンピュータは、原爆、水爆を完成させ、アポロ計画で宇宙船を月に到達させ、世界のどこでもピンポイントで攻撃できるミサイルをつくりました。IBMやAT&Tのような世界で圧倒的なシェアを持つ巨大企業もつくりました。
 しかし、コンピュータの民生産業への展開と、従来よりもはるかに多岐に渡る用途にコンピュータが活用されるためには、汎用オペレーティングシステムの登場が必要とされました。汎用OSを普及させたのはアップルであり、マイクロソフトであり、グーグルのアンドロイドです。中央集権のスーパーコンピュータからマイコン、パソコンの時代になり、ネットワークの時代になり、スマートフォンに至るまで、汎用OSが不可欠でした。
 トロンも、この多岐の用途に渡るコンピュータの民生産業への活用、という流れから登場したものですが、iOSやウィンドウズ、アンドロイドのような汎用OSとはそもそも設計思想が違います。トロンは、リアルタイム制御に長じたリアルタイムOSです。家電製品や建築物、自動車、飛行機、電車その他諸々のシステムに大量に組み込まれて制御することに強みがあります。
 トロンは、そもそもがウィンドウズやアンドロイドと競合する必要が無いOSです。あらゆるものに大量に組み込む「どこでもコンピュータ」であり、デバイスに一つ入れる汎用OSとは別のものです。オープンソースであり、マイクロソフトのようなグローバル企業やブランドをつくることにはなりませんでしたが、同じオープンソースのリナックスとの相性が良いこともあり、世界中の産業と人々の生活への貢献は計り知れないくらい巨大です。
坂村さんの話を聞いていて、ひとえに「コンピュータ」と言っても、ただ性能が良ければいいというものではないのだなと実感しました。例えば「はやぶさ」に載せるコンピュータ。消費電力が高すぎて電池切れになってしまっては困る、というのは納得です。これから更にIoTが広まるのに従って、より多様なコンピュータが求められてくると感じました。
トロンが家電や産業用機器OSの6割のシェアを持っているとは。しかもグローバルに。消費電力が小さく、コストが安い。いいことずくめ。

トロンを使ったスマホが欲しいな。そうすれば、リチュウムバッテリー1個で3年間もつ。スマート家電、スマートホーム、スマートシティはトロンをベースに!
トロン・プロジェクトが始まった頃(40年近く前)にニュースの企画で坂村さんにインタビューしました。「ユビキタス」とか「いつでも・どこでも」という言葉が印象的でした。こういう形でトロンは進化してたのですね。
『トロンの基本精神は誰もが開発できる「オープンアーキテクチャ」であり、技術情報は全部開示していて、ロイヤルティもとっていません』と言う点が重要だったんですね。当時は日米貿易摩擦で、米国がマイクロソフトをごり押ししてましたし。まさに坂村さんのビジョンの凄さです。
この連載について
まるで預言者(プロフェット)のように、新しい時代のうねりをいち早く紹介するNewsPicksのインタビュー集。本質を見抜く視点を毎週つむいでゆくことで、ちょっと先の未来を覗こう。