プレミアム会員限定の記事です
今すぐ無料トライアルで続きを読もう。
オリジナル記事 7,500本以上が読み放題
オリジナル動画 350本以上が見放題
The Wall Street Journal 日本版が読み放題
JobPicks すべての職業経験談が読み放題
コメント
注目のコメント
歴史上コンピュータの発展を飛躍的に早めたものはいくつかありますが、主なところで、
・原子爆弾の開発(フォン・ノイマンらによるマンハッタン計画での数値解析)
・宇宙飛行計画、特にアポロ計画
・暗号解読(チューリングらによるドイツ軍の暗号解読などど)
いずれも、第二次世界大戦、そして冷戦に勝利するために米国が莫大な投資をしたものです。そして、アンモニアの合成やGPSがそうであったように、政府の莫大な投資で発展した技術は、戦後すぐに民間の産業に転用されていきました。
コンピュータと呼ばれた電子計算機は、「エレガントな解答」は出せないものでした。つまり、どういう角度と推進力でロケットを発射すれば月に到達するのか、どういうパスワードの組み合わせなら暗号は解けるのか、解答を見出すために、コンピュータができたのは、あらゆる数値を入れてみた場合の結果を計算してみることでした。総当たりで計算をやっていたら、当たりが出る、という力技です。どういう式の計算をするのか設定するのも人間でした。これが、とにかく大量の計算ができる電子計算機、スーパーコンピュータが発展した背景です。
米国も、この力技の電子計算機を発展させたことで、冷戦中、ソ連に対して大いに優位に立ちました。中国は、「人海戦術と遊撃戦」で低コストの戦争をやるつもりでしたが、湾岸戦争やイラク戦争でそれが無効なことに気づいて、電子計算機に莫大な投資を始めて、現在に至ります。
もしAIがコンピュータをただの力技で大量の計算をする機械以上のものにするのであれば大きな変化です。総当たりに数値を入れてひたすら計算するのではなく、最適な計算をしたり、どういう式でシミュレーションできるのかを自動的に組み立てたりするようになるのであれば、それは従来のコンピュータとはもはや別物でしょう。30年以上も前から、今の「IoT」にあたるコンセプトを考えていた坂村さん。彼は今のIoTのあり方をどう見ているのか。どんな未来を予測しているのか。色々とお話を聞いてきました。第一回は、今だからこそ知っておきたいコンピュータとインターネットのお話です。