[東京 25日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、小幅にドル高/円安の107円前半。ドルは午前の取引で107円付近まで下落したが、安値では海外勢を中心にドルの買い戻しが広がった。海外投機筋の間では、日銀の追加緩和に対する期待が根強く、ドルが下がりにくい状況になっているという。ただ、ドルの上値は米経済の減速懸念やトランプ大統領の弾劾裁判のリスクなどで抑えられている。

ドルは仲値公示前に107円ちょうど付近まで下落したが、海外勢を中心にショートカバーが広がり、107.43円まで反発した。

「海外勢の間では日銀の追加緩和に対する期待が根強い。前日の黒田日銀総裁の会見(内容)を受けて、追加緩和に向けて一歩進んだとの見方が今朝は蒸し返され、ドルの買い戻し(円売り)につながった」(FX会社)という。

多くの海外ファンドは11月に決算を迎える。「特に実績が上がっていないファンドでは、これから11月末までの短期勝負でひともうけしなければならない。日銀イベントはドル買い/円売りを仕掛ける格好のイベントだ」(同上)という。

黒田東彦日銀総裁は24日、大阪市内で記者会見し、次回会合で追加緩和に踏み切る可能性について「予断を持っていない」と繰り返しつつ、「全体としてリスクは高まっているだけに、従来より緩和に向けて前向きになっている姿勢は変わってない」と語った。

一部メディアによると、ホワイトハウスはトランプ米大統領が25日の米国東部時間午後4時(日本時間26日午前5時)から記者会見を行うことを明らかにした。

市場の反応は限定的。「トランプ氏は、弾劾裁判のリスクやそれを嫌気して前日下落した米国株を意識し、何らかの申し開きを行うのではないか」(市場筋)との見方が聞かれた。また、日米首脳会談の結果も注目されている。

午前の円売りには、中国が米国産豚肉の購入を拡大するとの一部報道を受け、豪ドルが買い進まれたことも寄与したという。対豪ドルでの円安がドル/円の反発を支援した。

ニュージーランド中銀は政策金利を1.00%に据え置いたが、同時に発表した声明が「それほどハト派ではなかった」(外為アナリスト)と受け止められ、NZドル/円が上昇したことも、ドル/円の反発を支援したという。

ドル/円<JPY=>  ユーロ/ドル<EUR=>  ユーロ/円<EURJPY=>

午後3時現在 107.33/35 1.0995/99 118.03/07

午前9時現在 107.16/18 1.1012/16 118.01/05

NY午後5時 107.05/08 1.1018/22 117.97/01

(為替マーケットチーム)