[ベルリン 24日 ロイター] - ドイツのIFO経済研究所が発表した9月の業況指数は94.6と、前月の94.3から上昇した。6カ月ぶりの上昇となった。市場予想は94.4だった。

IFOのクレメンス・フュースト所長は「景気下降は一服した」と指摘。「製造業の業況は下降の一途をたどっている」とも指摘した。

ドイツ経済は輸出依存度が高く、世界経済の減速や貿易摩擦、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る不透明感で打撃を受けている。

IFOのエコノミスト、クラウス・ボールラーベ氏はロイターに対し「流れが変わったわけではない。減速が一服しただけだ」と発言。

同氏は第3・四半期のドイツ経済が第2・四半期に続いてマイナス成長になり、景気後退に突入する可能性が高いとの見方を示した。

欧州中央銀行(ECB)が金融緩和を決定したが、ドイツ経済には短期的な影響はない見通しという。原油高が化学産業の業況感を圧迫する要因になっているという。

ただアルトマイヤー経済相はIFO指数の発表後、経済成長の勢いは鈍ったが、景気後退には突入していないとの認識を示した。

現況指数は98.5で、前月の97.4から上昇。期待指数は90.8で、前月の91.3から低下した。

INGのエコノミスト、カーステン・ブレゼスキ氏は、ドイツが第3・四半期にマイナス成長に陥る確率は「日に日に上昇している」と指摘。「景気拡大が10年以上に及び、失業率が過去最低水準にあることを踏まえると、軽度の『テクニカル』なりセッション(景気後退)はそれほど重大な問題ではない」としながらも、「近く反発する兆候がまったくみられていないことは懸念材料となる」とし、「政府に対応を迫る声は今後も続く」と述べた。

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