[ニューヨーク 23日 ロイター] - 米資産運用大手ブラックロック<BLK.N>が23日公表した調査によると、世界の景気サイクルが終盤に差し掛かり、地政学的リスクが数多くあるにもかかわらず、世界の保険会社が投資について引き続き楽観的な見通しを持っていることが明らかになった。

調査は業界資産16兆ドルを占める保険会社の幹部360人を対象に実施。回答企業の78%が投資の見通しに楽観的だった。

ブラックロックの金融機関部門グローバル責任者、チャールズ・ハタミ氏は「欧州をはじめとして、2018年に比べてリスク選別の度合いが強まるなど多少の慎重姿勢は見られるが、2017年のリスク回避の状況からはなおほど遠い」と指摘。

「景気サイクル終盤で保険会社が前向きな姿勢であることを説明する上で、金融緩和へのシフトは重要な要因のようだ」とした。

調査によると、保険会社はプライベートエクイティや不動産など、私簿市場への投資比率を引き上げる方針。全運用資産に占める私募市場の割合は向こう3年で、平均6.6%から8.5%に上昇すると見込んでいる。

一方、マイナス金利で投資リターンを出すことが難しくなっている状況を反映し、国債への投資について保険会社はこれまでより慎重な見方を示した。