【ドキュメント】古生物学者、犯罪捜査に革命を起こす

2019/9/23
毛髪の「限界」に挑む
髪が普通に生えている幸運な人の頭部からは、1日に50本から100本もの毛髪が抜け落ちる。髪の毛は丈夫で、何年も、ときには何世紀もの間、雨や熱、風の影響に耐えることができる。
しかし、犯罪捜査官をはじめ、毛髪の持ち主を特定しようとする人にとって厄介なのは、「毛根」が付いていない頭髪が全く役に立たないことだ。しかも、毛根が残っている抜け毛は極めて少ない。
こうした限界が露呈するのは、法廷で証言台に立つ法医学者が陪審員に対して、セーターに残った髪の毛から十分なDNAが採取できない理由を説明するときや、死亡した親族のヘアブラシをたまたま見つけたアマチュア歴史家が、自分の一族の家系図を作ろうとするときだ。
毛根がなければ、家系図サイトで参照するためのDNAプロファイルを作成できる見込みはなかった──これまでは。
(James Tensuan/The New York Times)
古生物学者が起こした「奇跡」