[ワシントン 19日 ロイター] - 米上下両院で19日、今年の国防権限法(NDAA)の協議が正式に始まった。NDAAは国防予算の大枠を決めるために議会が毎年通す法律で、規模は7000億ドル。

今年の協議では、トランプ大統領のメキシコとの国境沿いの壁建設計画、宇宙軍創設、大統領のイランとの開戦権限が最大の争点となる見込み。

NDAAは1961年以来毎年成立している。「必須」法案であるため、広範な政策措置の手段となるだけでなく、軍の給与水準から船舶や航空機の近代化や購入などに関する決定の基準となる。

2020会計年度のNDAAの議会通過は、トランプ大統領と議会民主党および一部の共和党議員の激しい対立から、難航が予想されている。

今年はトランプ政権にとって議会がねじれ状態で迎える初めての年。国境の壁建設に執念を燃やす大統領は、すでに民主党が過半数を握る下院での承認案に拒否権を行使する考えを示している。

上下両院はすでに独自のNDAAを承認済みで、19日が協議開始日となった。

下院軍事委員会のアダム・スミス委員長(民主党)は、壁建設費用などの重要事項についてまだ結論を出していないと述べた。

トランプ大統領が議会承認なしにイランに対して軍事行動をとることを禁じる修正案についても、意見は分かれている。この問題は今週、米国と一部の同盟国がサウジ石油施設への攻撃でイランを批判したことで重要度が増した。

民主党は、トランプ大統領が打ち出した宇宙軍構想にも反対している。この計画はコストが数十億ドルにもかさむ可能性が指摘されている。

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