[16日 ロイター] - バークレイズは16日付のノートで、石油施設が攻撃を受けたにもかかわらず、豊富な備蓄でサウジの原油輸出が急減することはないとの見方を示した。

14日、国営石油会社サウジアラムコの2カ所の石油精製施設が攻撃を受け稼動停止。世界の供給の約5%に相当する日量570万バレルが生産できない事態となった。

バークレイズは、来年は石油輸出国機構(OPEC)以外の産油国の供給が需要以上に拡大する見通しであることから、市場は足元の供給減はあまり気にしないと予想。ただそれでも、足元の需給逼迫や、価格形成のカギとなる在庫や生産余力の低下につながるだろうと指摘した。

共同石油統計イニシアチブ(JDOI)が前月発表したデータによると、サウジの原油在庫は、5月の1億8772万3000バレルから6月は1億8790万バレルに増加した。

バークレイズは、今回の攻撃は、世界の生産余力の大半を有する国の供給に依存することに対する疑問を提起したと指摘。

「投資家がイラン核合意の再交渉の可能性を評価するといった、地政学リスクプレミアムの高まりとともに、原油価格を持続的に押し上げる要因になるだろう」と述べた。