【天沼 聰】やり切ると決めて、どうすれば実現できるかを考える

2019/12/9
2015年2月開始の月額制ファッションレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」が大きく成長している。約300ブランド・10万点の中からプロのスタイリストによって、ユーザー別にコーディネートしてくれた洋服が自宅に届く。

ファッションレンタルサービスの中でも「普段着に特化」し、「選ぶのはプロのスタイリスト」という点が特徴だ。月額6800円(+税)から手軽に利用できることから、20代後半~40代を中心とする女性に注目されている。

ライフスタイルの中で「新しいファッションや自分との出会い体験」という価値を届けるサービスは、4年半で会員数は25万人を超えた。ファッション業界に新たな視野と可能性を見せるその事業モデルやサービスには、“ファッション業界新参者”ゆえの徹底した世界観の追求と、実行力があった。創業者の一人で、社長兼CEOの天沼聰氏の哲学に迫る。

新参者、業界からの全否定

それまでの私のバックグラウンドに、ファッションの要素はまったくありません。
教えを乞うにも、自分たちの直接のつながりにはどこを探してもファッション業界の人間がいません。ファッション業界で働く人をどんな人でもいいから紹介してもらおう、と友だちの友だちを頼ってお会いしました。
職種やファッションブランドにかかわらず、ファッションの現場で働く方の話を聞きました。
そこから次は、「笑っていいとも!」の「テレフォンショッキング」形式でつなげてもらいました。デザイナーからパタンナー、次は販売員、ブランドのバイヤー……というふうに。
ファッション業界について学ぶと同時に、どういう職種があり、それぞれの職でみなさんはどういった課題を抱えているのかをヒアリングしました。