【天沼 聰】「新しい自分に出会える」感動体験をビジネスに
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注目のコメント
仕事の哲学という新しい観点でインタビューをしていただきました。
サービス設計等の軸ではなく、哲学という観点は私にとっても新鮮で楽しかったです。
なにをどのように(WHAT、HOW)という考えだけでなく、なぜ(WHY)が大事だと思っています。
明日以降の連載も楽しみです。連載「シゴテツ -仕事の哲人-」、今回はエアークローゼット社長・天沼總さんです。
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2015年2月開始の月額制ファッションレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」が大きく成長している。約300ブランド・10万点の中からプロのスタイリストによって、ユーザー別にコーディネートしてくれた洋服が自宅に届く。
ファッションレンタルサービスの中でも「普段着に特化」し、「選ぶのはプロのスタイリスト」という点が特徴だ。月額6800円(+税)から手軽に利用できることから、20代後半~40代を中心とする女性に注目されている。
ライフスタイルの中で「新しいファッションや自分との出会い体験」という価値を届けるサービスは、4年半で会員数は25万人を超えた。ファッション業界に新たな視野と可能性を見せるその事業モデルやサービスには、“ファッション業界新参者”ゆえの徹底した世界観の追求と、実行力があった。創業者の一人で社長兼CEOの天沼聰氏の哲学に迫る。(全7話)大量生産・大量消費の時代には、モノが足りなかったから、皆1つの共同幻想があり、1つのライフスタイルを目指していた。だから、マスマーケティング→マスプロダクション→マスプロモーションが成立した。
現代は物が溢れている。だから共同幻想は成り立たない。人々はそれぞれの価値観に基づいた自己実現・自己表現を目指して消費行動を行う。旧来のUXが現代のUXにはマッチしなくなっているのだ。それによって「ワクワク体験」が損なわれている。
「お客様体験を最大化すること」「ライフスタイルの中でのワクワク体験」とは、旧来のマスマーケティング→マスプロダクション→マスプロモーションの否定であり、新たなマーケティング、プロダクション、プロモーション手法の確立をデジタルトランスフォーメーションによって実現することにある。
ファッション業界は、新しいものを作っているようで、業界構造は古く固い。そこにUXの観点から目をつけいかにDXさせるかに取り組むエアークローゼットは、アナロジーとして全ての業界に対して適用できる可能性がある定性研究すべき事例だ。