【天沼 聰】「新しい自分に出会える」感動体験をビジネスに

2019/12/8
2015年2月開始の月額制ファッションレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」が大きく成長している。約300ブランド・10万点の中からプロのスタイリストによって、ユーザー別にコーディネートしてくれた洋服が自宅に届く。

ファッションレンタルサービスの中でも「普段着に特化」し、「選ぶのはプロのスタイリスト」という点が特徴だ。月額6800円(+税)から手軽に利用できることから、20代後半~40代を中心とする女性に注目されている。

ライフスタイルの中で「新しいファッションや自分との出会い体験」という価値を届けるサービスは、4年半で会員数は25万人を超えた。ファッション業界に新たな視野と可能性を見せるその事業モデルやサービスには、“ファッション業界新参者”ゆえの徹底した世界観の追求と、実行力があった。創業者の一人で、社長兼CEOの天沼聰氏の哲学に迫る。(全7話)

シェアエコの潮流をキャッチ

今の仕事に就く前は、IT戦略系コンサルタントとして働いていて、前職の楽天では海外拠点のグローバルマネジャーを務めていました。将来の起業を見据えての選択です。起業するつもりでずっといました。
コンサル時代の同僚と3人で起業したのですが、事業を決めるにあたって、「生活にしっかり根づいて浸透するサービスをつくろう」という点で一致していました。
なおかつ3人とも「シェアリングエコノミーの概念」と「テクノロジー」が好き。シェアリングの領域で、テクノロジーを最大限に活用しつつ適合するビジネスモデルを、と小さいものから大きいものまでアイデアを百数十個洗い出しました。
起業を考え始めた2014年前後の海外では、AirbnbやUberが浸透しつつあり、「遊休資産の活用」というシェアリングエコノミーの概念が広がってきてもいました。