【武田双雲】筆文字メモが喜ばれて退社、ストリート書道家になる

2019/12/4

筆で書いたメモが社内で評判に

NTTにいた頃は「アナログからデジタルへ」の時代だったので、世の中には無機質なフォントの文字があふれるようになっていました。
それがつまらなく思えて、電話を取ってメモを残すようなときに、小筆と墨を使って書くようにしたんです。
例えば、「山田課長、田中様からお電話がありました」っていうメモを、あえて筆で書くんですよ。そうしたら、なんだか和むし、自分も楽しいじゃないですか。
上司には「余計なことをするな」って怒られましたけど、ほかの部署の人たちは面白がってくれて、だんだん評判になっていったんです。
特に、30代、40代の女性社員に好評で、お姉さんたちが「今時、書道なんて珍しいね」「武田くん、すごくきれいな字を書くんだね」って言ってきてくれて。ちょっとしたモテ期を味わいました(笑)。

喜びの涙に感動

リクエストされるままに、いろんな文字を筆で書いてあげていたら、ある時、「私の名前を書いてくれる?」と頼まれました。
それで、示された名前を書いて渡したら、その女性がポロポロと涙を流したんですよ。