【Airbnb CEO】ウォルト・ディズニーの大きな賭けに鼓舞されて

2019/10/14
2007年にサンフランシスコで国際デザイン会議が開かれたとき、美術大学出身の工業デザイナー、ブライアン・チェスキーとジョー・ゲビアは、自宅アパートのロフト部分にエアマットを敷き、無料の朝食付きで貸し出すことを思いついた。

1泊80ドルという、サンフランシスコとしては超お手頃な宿泊料金を設定したところ、たちまち会議出席者から予約が殺到。おかげでチェスキーとゲビアは、ピンチだった家賃の支払いも無事できるようになった。こうしてAirbnbが誕生した。

やがて部屋(あるいはベッド)だけを貸すよりも、アパートや家全体を貸すスタイルが主流となり、Airbnbは世界的な旅行ブームの牽引役を果たしてきた。だが、創業当初は出資者が見つからず、クレジットカードを何枚も作って借金をしまくっていたというチェスキー。そんな彼が尊敬する意外な人物や資金調達のコツをリード・ホフマンが聞いた。(インタビューが行われたのは2017年1月)
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ホフマン ウォルト・ディズニーをとても尊敬しているとか。
チェスキー ウォルト・ディズニーは、おそらくエジソンとスティーブ・ジョブズの間、つまり第2次世界大戦後の時代を象徴する創業者であり、英雄でした。ウォルトが死んだとき、アメリカ大統領よりも有名だと言われたほどです。
(写真:PETER DASILVA/The New York Times)
ウォルトは後世に巨大な遺産を残しました。ですから、アイコニックな創業者として記憶されていますが、実は自分のアイデアを実現するために、全財産を投げ打ったことが何度もある。いつも破産の危機に瀕していたし、成功するとは到底思われていませんでした。
まず、1930年代半ば、ウォルトはすでにアニメ制作会社を立ち上げ、一度破産しています。たしかミズーリ州でだったと思います。
それからロサンゼルスに出てきて、『しあわせウサギのオズワルド』を制作したのですが、そのキャラクターの権利を別の会社に奪われてしまった。そこでミッキーマウスを生み出し、ようやく成功を収めたのです。