これまでのがん治療薬は見当違いの対象を攻撃していた可能性が高い
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実は“標的とした遺伝子が生成するたんぱく質とはまったく別のたんぱく質に作用してがん細胞を抑制しているかもしれない”という以外と面白い記事。
OTS167というMELK阻害剤はCRISPR–Cas9でがん細胞からMELKを生成する遺伝子を切除し、MELK阻害剤を投与してみたところ、がん細胞はとっくにMELKを生産できなくなっていたにもかかわらず、薬効のとおりに増殖が停止したとのこと。
MELK阻害剤の研究報告
https://www.oncotherapy.co.jp/research-development/drug-discovery-research/melk-inhibitor/
• OTS167はMEKLを阻害する(実は他のキナーゼも阻害している?)
• MEKLが高発現したがん細胞に特異的に作用する。(実は他のたんぱも発現しておりそちらに作用している?)
ただ、記事の中で、”OTS167やOTS964で起こった現象が偶然なのかどうかを確認すべく、6種類のたんぱく質を標的にした合計10種類の治療薬で同様のテストを行いました。”と記述しておりますが、論文を読んでみると、https://stm.sciencemag.org/content/11/509/eaaw8412
この” 10種類の治療薬”はいずれも開発中の薬(殆ど開発が進んでない?)で、承認されている薬はないようでした。”10種類の治療薬”というより、開発中の化合物だと思います。エビデンスがある”薬”で同様の実験をしてみて欲しいですね。同じ結果になるのかな??