アロマテラピストからCEOに。異色のシングルマザーの「仕事を選ぶ基準」
2019/9/21
最初の一歩は新聞配達
20代でベンチャーのCEOに就いた女性は、日本にどれぐらいいるのだろう。今の時代、決して珍しくはないのかもしれない。
しかし、「人類を救う」という壮大なミッションを掲げるベンチャーの創業者からCEOを託された、子ども2人を育てるシングルマザーは1人しか思い浮かばない。
ロシアで45年間、1100世代交配させて生み出されたスーパーエリートのイエバエを使って「世界の食糧危機の解消、地球の抱える環境問題の解決」に挑んでいる異色のベンチャー、ムスカ。
今年4月、創業者の串間充崇が代表取締役会長からファウンダー兼取締役会長に退いたタイミングで、代表取締役CEOに就任したのが流郷綾乃(りゅうごう・あやの)29歳だ。
「断るのが苦手で、流れに身を任せていたらここまできてしまった感じで」と苦笑する彼女の歩みは、とにかくユニーク。仕事をして稼ぐ、という意味でキャリアを捉えると、最初の一歩は新聞配達からスタートした。
高校時代、「海外留学したい」と思っていた流郷は、卒業後、生まれ育った大阪から上京し、アメリカのカレッジの日本校に通い始めた。
ひとり親の母に負担をかけないために、新聞配達の奨学金制度を利用して、その学費や生活費を自分で稼いでいた。卒業したらアメリカの大学に行くつもりだった。
「学校が1年制だったので、勉強がすごくハードでした。それで、朝2時に起きて朝刊を配達して、学校に行った後、夕刊を配達して、帰宅してから勉強をしていたので、毎日2、3時間しか寝ていませんでした。その頃は、とにかくがむしゃらでしたね」
アロマテラピストから企画営業に
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この連載について
人々の価値観が多様化し、複雑化する現代社会。教育改革実践家の藤原和博氏は、そんな時代に「希少性のある人材=稼げる人材」になるためには、「3つの分野で100分の1の希少性を獲得し、その掛け合わせで100万分の1の存在を目指すことが大事」と語る。
とはいえ「具体的にどうキャリアを掛け算すればいいかわからない」という人も多いかもしれない。
NewsPicksは藤原和博氏とコラボし「ミリオンズ」という連載を開始。本連載では、編集部が「100万人に1人の人材( The Millionth/ミリオンズ)」だと評価した人物を、ジャーナリストの磯山友幸氏、ライターの川内イオ氏が取材。彼らはどのようにして「100万人に1人の人材」になったのかー。
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