[香港 11日 ロイター] - 香港キャセイ・パシフィック航空<0293.HK>は11日、「逃亡犯条例」改正案を巡る抗議デモの激化で香港への航空需要が大きく落ち込んでいることを受け、冬シーズンの輸送能力を削減すると発表した。

香港では中国本土への容疑者の引き渡しを可能とする同改正案をきっかけに抗議デモが激化。香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は今月4日、事態沈静化に向け同改正案の正式撤回を表明した。

こうした中、キャセイ航空の旅客数は8月は11.3%減少。同航空によると、8月の香港へのインバウンド旅客は前年比38%減、香港からのアウトバウンド旅客は同12%減となった。9月も改善は望めないとしている。

香港当局によると、香港を訪れた人は8月は約40%減と、7月の5%減から大きく悪化した。

キャセイ航空を巡っては、逃亡犯条例改正案の撤回を求める抗議活動に多数の職員が参加し、中国の航空当局は安全上の脅威があると警告。8月にはルパート・ホッグ最高経営責任者(CEO)と盧家培(ポール・ロー)最高顧客商務責任者(CCO)の辞任を発表したほか、9月に入ってからはジョン・スローサー会長が11月6日付の退任を発表するなど、デモ激化で大きな影響を受けている。