[ベルン 10日 ロイター] - シガル・マンデルカー米財務次官(テロ・金融情報担当)は10日、米フェイスブック<FB.O>が計画する「リブラ」などの暗号資産(仮想通貨)について、実現するには資金洗浄(マネーロンダリング)やテロ資金の防止を目的とする最高水準の規制を満たす必要があると指摘した。

また、運営団体がスイスのジュネーブに本部を置くリブラを含め、全米や米国内の広い地域で流通するいかなる暗号資産も米国の規制を満たす必要があるのは明白だと強調した。

「ビットコイン、イーサリアム、リブラにかかわらず、これら企業に対するメッセージは一つだ。資金洗浄とテロ資金の対策が最初から設計に組み込まれている必要がある」と述べた。

スイスを訪問中のマンデルカー氏はこの日、スイス政府や国際決済銀行(BIS)などの当局者らとリブラを含む暗号資産について協議した。

スイス連邦金融市場監督機構(FINMA)とも同日中に会合を開く予定で、資金洗浄に対する適切な規制の実施だけでなく規制に違反する企業に対する措置を優先的に議論すると述べた。

FINMAは8月に暗号資産を支える技術であるブロックチェーン(分散型台帳)を提供する企業に初めて、銀行・証券業の認可を与えており、仮想通貨版シリコンバレーと称される「クリプトバレー(暗号の谷)」を構築している。

マンデルカー氏は、金融とテクノロジーが融合したフィンテックや技術革新のハブになることを目指しているスイスなどの諸国は、資金洗浄などへの懸念に最大限配慮する責任があると強調した。

また、リブラは犯罪対策を徹底するにはまだ非常に初期段階にあると指摘し、スイス当局も同様の認識だと語った。

リブラの広報のダンテ・ディスパルテ氏は「(運営団体の)リブラ協会は金融包摂と規制順守と消費者保護が矛盾することはないとの立場を維持する」とコメントした。