【直撃】我々が「リブラ」に参画した理由

2019/9/12
暗号通貨が辿らなければいけない宿命とはーー。
今年6月、Facebookが公表し、世界を震撼させている暗号通貨「リブラ」。世界で毎月24億人が利用する巨大SNSが関わる通貨だけに、各国の政府からの警戒感も強く、日々様々な規制をめぐるニュースが飛び交う。
だが、リブラをめぐる国内報道に抜け落ちている点がある。
リブラを発行する「リブラ協会」は、Facebookだけでなく、約30社によるコンソーシアムだが、その参加企業による声があまりに届けられていないのだ。
そこで、NewsPicks編集部は、リブラ協会のメンバーで、暗号通貨の初期から投資するベンチャーキャピタル、Union Square Ventures(USV)のパートナー、アルバート・ウェンガー氏に直撃取材を敢行した。
ウェンガー氏は、『World After Capital(資本後の世界)』と題した書籍も発行し、暗号通貨やベーシックインカムがもたらす資本主義後の未来を描く、思想家でもある。
その彼が語るリブラ参画の意図、そして、その後の世界について全2回でお届けする。

1993年の「鮮烈な経験」

──まず、最初に一番ホットなリブラについて聞かせてください。
ウェンガー それは一番話しにくい話題かもしれませんけどね(笑)。
──USVは古くから暗号通貨のスタートアップに投資してきましたが、なぜここに来てFacebookのいるLibra協会に入ったのでしょうか。
その本題に入るためには、少し時計の針を戻さねばなりません。