[ロンドン 10日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が発表した統計によると、今夏の賃金は過去11年あまりで最大の伸びを記録し、失業率は1970年代半ば以来の低水準に戻った。

ただ、雇用は予想ほど伸びず、求人数も2017年終盤以来の低水準にとどまり、欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)の期日が近づく中、雇用主が神経質になっていることをうかがわせた。

ONSによると、5─7月の賃金(ボーナスを含む)は前年比4.0%上昇。4─6月(3.8%上昇)を上回り、2008年半ば以来の高い伸びとなった。ロイターがまとめたエコノミスト予想(3.7%上昇)も上回った。

ONSの当局者は「インフレ調整後では、約4年ぶりに2%を上回る上昇となった」と述べた。

ボーナスを除外した賃金は前年比3.8%上昇で、エコノミスト予想と一致した。

5─7月の失業率は3.8%に低下し、1975年1月までの3カ月以来の低水準となった。

ただ、5─7月の雇用者数の伸びは3万1000人にとどまり、エコノミスト予想(5万3000人)を下回った。

求人数も81万2000人と2017年終盤以来の低水準となった。

英労働市場は、ブレグジットを決定した2016年6月の国民投票後も堅調で、エコノミストは、企業がより長期な話となる投資よりも、状況に応じて調整できる雇用に重きをおいているのが一因と指摘していた。

しかし、10月31日のブレグジットが近づくなか、最近の調査では、企業が雇用に対し慎重姿勢に転じていることが明らかになっている。