北朝鮮が飛翔体2回発射 米韓演習終了後も継続
コメント
注目のコメント
北朝鮮は今年春以降の発射で短距離弾道ミサイルまでは問題なしという雰囲気を作り、トランプ大統領もこれを認めています。
となると次は準中距離ミサイルあたりを撃ってくるのではないかと思うのですが、今回はいかに。
半島横断で撃ってますから新型という可能性は低く、短距離なら先般から撃ち始めたKN-23(北朝鮮版イスカンデル)、準中距離ならスカッド-ERあたりでしょうか。韓国国防部の推定では最大高度40キロから60キロ、水平距離330キロとのことなので、噂の新兵器「超大型放射砲(ロケット砲)」の実験のようですね。
私も最初画像を見たとき、弾頭は500ミリ以上はあると思ったのですが、防衛庁の推定ではロケット砲としては世界最大クラスの600ミリとのことです。
面制圧兵器であるロケット砲の場合、発射速度と数が勝負で、大きければいいという問題では全くないのですが、弾道ミサイルと近い運用思想の兵器のようなので、韓国にとっては大きな脅威となるでしょう(日本には届きません)。
この半年で飛翔体の発射は10回目となりますが、結果として全て新兵器の実験(イスカンデル類似ミサイル、ATACMS類似ミサイル、超大型ロケット砲)だった訳で、従来の政治的メッセージとしての発射というより、純粋に兵器の近代化と軍事能力の増強が主眼のように見えます。韓国軍によれば、北朝鮮が発射した飛翔体は、国連安保理の制裁決議で禁止されている短距離弾道ミサイルでした。しかし、相変わらず、トランプ大統領は北朝鮮の短距離ミサイルの発射には関心がないようです。
北朝鮮は、このミサイル発射の直前に、9月末に米国との非核化協議に応じる用意があると表明したばかりです。米国と非核化交渉を行う意思表示をした後にミサイルを発射して見せるのは、大統領選挙に向けて、何が何でも北朝鮮との非核化交渉を成功したと見せたいトランプ大統領が北朝鮮に強く出ることはないと足元を見ている可能性があります。米国を試しているとも言えます。
もう一つの可能性は、米国に対して、北朝鮮との交渉を促す効果を期待しているというものです。米国が交渉に応じなければ、北朝鮮はより挑発的な行動をとるぞ、という意味です。
しかし、米朝間の非核化交渉がうまくいくようには思えません。それは、北朝鮮の態度だけではなく、トランプ大統領にも問題があるからです。
ボルトン大統領補佐官が解任されましたが、解任の理由は北朝鮮問題ではないかという分析もあります。トランプ大統領は、自分が成功させたのだと見せることばかりに関心があるため、米朝首脳会談を急いで実施しようとしますが、首脳会談前には実務者同士がしっかりと内容を詰めておく必要があります。もし、実務者同士の話ができていなければ、首脳会談では何の成果も出せないでしょう。
ボルトン氏は、自らの功を焦るトランプ大統領に、しっかり実務者協議をやらせろ、と言ったから解任されたのではないかというのです。そうだとすると、米朝非核化交渉の内容を詰められる人物がトランプ大統領の周囲にはいなくなったということになります。
これでは、いくらトランプ大統領が金正恩氏との首脳会談をショーとして見せても、実質的に非核化を進めることはできないでしょう。