[ニューヨーク 9日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ユーロが上昇。ドイツ政府が財政刺激策の拡大に向けて「影の予算」を検討しているとのニュースが追い風となった。しかし、欧州中央銀行(ECB)による追加緩和期待を背景に上昇は限られた。

関係筋はロイターに対し、独政府が連邦予算には含まれない新たな債務を引き受ける独立した公共団体を設立し、厳格な財政ルールに抵触しない「影の予算」創設することで、低迷する国内経済への投資を行うことを検討していると明らかにした。

CIBCキャピタルの為替戦略・北米主任ビパン・ライ氏は、独連立政権が均衡予算へのコミットメントを弱めれば「ユーロへの支援材料、ドルへの悪材料になる」と述べた。

ユーロ/ドル<EUR=>は0.22%高の1.1051ドル。ただ、ECB理事会を12日に控え、伸び悩んだ。市場ではECBが一連の刺激策を打ち出すと予想されている。

米経済指標では12日発表の消費者物価指数(CPI)、13日の小売売上高統計が注目されている。17─18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、連邦準備理事会(FRB)が追加利下げに動くとの見方が大勢。

ポンドは対ドルで一時6週間ぶり高値を更新。欧州連合(EU)からの「合意なき」離脱の可能性が後退しているとの期待や、7月の英国内総生産(GDP)が予想を上回る伸びとなったことが追い風となった。ただ、バーコウ下院議長が辞意を表明したことを受け、ポンドは上げ幅を縮小した。

ドル/円 NY終値 107.23/107.26

始値 106.97

高値 107.26

安値 106.93

ユーロ/ドル NY終値 1.1046/1.1050

始値 1.1024

高値 1.1067

安値 1.1024