中央銀行はなぜこうもリブラを攻撃するのか
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ロイターやブルームバーグではかなりヘッドラインが取り沙汰されていたメルシュECB理事講演について一筆させて頂きました。中央銀行高官がリブラについてコメントするシーンはさほど珍しくなくなってきましたが、タイトルから始まり、講演内容全てをリブラに絞った講演は珍しいものです。
詳しくは本文をご参照頂きたいですが、とにかく全否定という色合いが全面に出ていました。歴史的観点から議論を進めている部分は、とかく枝葉末節な次元に収束されがちなこの問題について気づきを与えてくれるかと思います。宜しければご笑覧下さいませ。パウエル米FRB議長の発言についても下記にてコメントしましたが、Facebookが広く普及していることに加えてリブラは裏付け資産があるということでドル等のメジャー通過と同様に広く流通する可能性が高いことからリアリティが高く、金融政策の権限の希薄化を恐れる中央銀行が慎重論を唱えてると推測されれます。
https://newspicks.com/news/4203992/Facebookと違って大きな潜在的ユーザーが無いので目立ちませんが、SDR(IMFの特別引き出し権)を“準備資産”として発行され、既に多少は流通していそうなデジタル通貨サーガ(Saga)も、リブラと似たようなものでしょう、たぶん。
https://crypto-currency.site/?p=3335
https://www.coin-list.co/coin/19170
そして記事にある通り、中国も乗り出そうともしています。
お金がお金として流通するのは、自分以外の他の人々もそれがモノやサービスと好きな時に交換し得る安全で安定的な資産と認めている、という一事によるもので、国や中央銀行が発行しているから、という理由によるものではありません。だから、facebookが有する巨大な市場参加者の間で、でそれが安定した交換価値を持ち、参加者の全てがモノやサービスとの交換可能性を信じるなら、立派な通貨として価値保存と交換の手段になるはずです。
しかし、そんな通貨が出来上がったら、既存の通貨を発行する中央銀行の役割が薄れます。中央銀行で働く人々が、あらゆる“理屈”を駆使し、何が何でも抵抗を試みる気持ちは、何となく分からないでもありません (@_@。フムフム
ただ、新しい技術が既存の枠組みを壊して成長して行くのは世の常です。本当に価値あるモノなら、その成長は止められません。中央銀行がリブラを攻撃する論拠と妥当性を考えさせてくれる、面白い記事ですね (*^^)v