プレミアム会員限定の記事です
今すぐ無料トライアルで続きを読もう。
オリジナル記事 7,500本以上が読み放題
オリジナル動画 350本以上が見放題
The Wall Street Journal 日本版が読み放題
JobPicks すべての職業経験談が読み放題
コメント
注目のコメント
誰も明確な処方箋を示せないまま、英国はここまで来てしまいました。正確には、声高に断言する人々がいて、「EUから離脱さえすれば、全てが良いくなる」という主張に多くの英国人がひきつけられた、という結果です。「離脱さえすれば」という旗を振っていた筆頭の人物が、ボリス・ジョンソン氏でした。
英国はあまりにも長く、100年以上没落の過程にあります。それは、EUなどができる前からのことで、EUのせいだけとはいえないのは明らかです。しかし、明確な敵、悪者を名指ししてほしいという欲求は、多数の人々が持っているものです。英国は豊かな国であったのに、EUに支払う金のせいで、あるいはEUからやってくる移民のせいで、自分たちは豊かな生活を享受できないのだ、というのは受け入れやすい主張でした。
実際には、国際的な関係、特に経済は、単純な損得の話ではなく、損する面もあれば得する面もあります。短期的には損でも、長期的には得ということも多々あります。EUというのも、短期的には負担があっても、長期的には凋落傾向にあるヨーロッパ諸国が活力を取り戻すためには必要なはず、という考えからつくられました。
英国の政治、特に二大政党が、明確な処方箋を示して国民を説得できなかったため、今も混迷が続いています。保守党も労働党も、党内の見解を統一できていません。野党の労働党も、ジョンソン首相に反対するばかりで、じゃあ、代わりにどうするという明確な案はありません。
その中で、一貫して「とにかく離脱」というジョンソン首相は、明確な主張があり、そのため、首相にまでなった、ということはいえます。夏休みが終わり、再開した英国議会が毎日のように紛糾しています。会議は踊る、されど進まずという状況のブレグジット問題を、改めてサクッと整理しました。歴史的な観点から見ても、とても複雑な問題なのだなと思わされます。
本日もまた、さまざまなカードが切られ、何かしら動きがあると思います。しかし、党利党略に終始し、将来に向けた「道筋」はジョンソン首相はもちろん、誰も描けていない状況です。そして近々、再び議会は停会する可能性すらあります。
逐一状況を注視しつつ、置き去りにされた英国民や、振り回される世界経済のためにも、理性的かつ建設的な議論に期待したいです。日々、新しいニュースが出るブレグジットですが、結局なぜメイ首相から交代し、いまどんな状況にあるのかは、なかなか把握できません。3年前の国民投票の経緯から、3コマでまとめました。
土壇場でEUが10月31日からの延期に合意しそうですが、解決の糸口が見つかりません。