サウジ国王、ファリハ・エネルギー相を解任
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国営石油会社アラムコの株式新規上場が、2018年初めには完了していたはずなのに、未だに実現していません。そのために体制が組み直されたといえます。IPOについて重要なのは、エネルギー相の人事以上に、アラムコの人事でしょう。
アラムコの上場は、ムハンマド・ビン・サルマーン王太子が掲げる「改革」の主要な資金源なので、これがうまくいかなければ始まりません。そこで起用されたのが、王太子の主要な取り巻きの一人であり、サウディアラビアの国営投資基金の理事長であるヤ―シル・アッ=ルマイヤーン氏です。彼は、ソフトバンクの孫正義会長を王太子に仲介して、サウディアラビアに投資するに至らせた中心人物でもあります。先日、アラムコの代表取締役にも任命されました。石油屋に代えて、金融屋にアラムコの上場を任せた、といったところです。
https://newspicks.com/news/3386161
とはいえ、そもそもアラムコの上場が実現しないのは、アル=ファーリハ氏が金融に疎いせいというより、上場に必要な会計監査の基準を受け入れないとか、上場した国では訴訟の対象にならない免責特権が欲しいといった無茶なことを、アル=ファーリハ氏の上司が求めているせいです。
今回解任されたハーリド・アル=ファーリハ氏は、技術職出身ですが、アラムコのCEO兼エネルギー相を兼ねてきました。今月、アラムコからは解任されました。エネルギー省は分割されて、エネルギー省と産業・鉱物資源省になりました。アル=ファーリハ氏の現在の職務は、産業・鉱物資源大臣です。マレーシアでも各紙が伝えてますね。石油依存からの脱却プログラムで重要な資金源となるサウジアラムコの上場準備が芳しくない事が人事劇の背景と伝えられています。
◆ Opec kingpin Saudi Arabia replaces energy minister
https://www.malaymail.com/news/money/2019/09/08/opec-kingpin-saudi-arabia-replaces-energy-minister-reports-state-media/1788396