[ワシントン 5日 ロイター] - クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長(金融規制担当)は5日、将来の経済ショックに備えて銀行に保全を義務付けるストレス資本バッファー(SCB)について、さらなる簡素化を検討していると明らかにした。

副議長は独フランクフルトで行った講演で、ストレス・レバレッジ・バッファー(ストレス時のレバレッジ要件)と予定配当1年分の前払い義務は不必要で廃止すべきとした上で、代わりにカウンターシクリカル資本バッファー(CCyB、好況時に積み上げ不況時に取り崩せる資本の割合)の基準値引き上げが望ましいという考えを示した。

FRBは現在、CCyBの水準を0%としているが、英国では1%となっている。クオールズ氏は、CCyBを引き上げることで、景気循環に沿った銀行資本の弾力的な調整が可能になるとした上で、英国の基準は「極めて妥当」と指摘した。

また、ストレステスト(健全性審査)後に最低資本要件を引き上げることも考えられるが、より簡単かつ予測可能である一方、一部銀行はストレス時の損失が比較的小幅であっても資本の積み増しを求められる恐れがあると述べた。

クオールズ氏は、近い将来、意見公募を行い、2020年の健全性審査に向け新たな規制枠組みを取りまとめたいとした。