[シドニー 5日 ロイター] - 豪銀大手オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)<ANZ.AX>のエコノミストは5日、オーストラリア準備銀行(中央銀行)が2020年5月までに政策金利のオフィシャルキャッシュレートを0.25%まで引き下げるとの見通しを示した。ANZはこれまで、20年5月までに1度利下げがあり、政策金利は0.75%になると予想していた。

ANZの豪経済担当責任者デービッド・プランク氏は、同行は現在では、今年の10月、来年の2月と5月に利下げが行われると見込んでいると述べた。

オーストラリアの大半のエコノミストは、追加利下げが2回行われ、政策金利が0.5%に引き下げられると予想している。

プランク氏は「中銀は今後1年間で一段の緩和をせざるを得ないと判断するだろう」とし、「国内景気の急な減速の影響が労働市場に波及する中、中銀は世界的な政策決定への対応を余儀なくさせられる」と指摘した。

また「量的緩和の必要性を排除することはできない」と述べた。

豪4大銀行のうち、ANZ以外の3行は、いずれも2020年末までに政策金利は0.5─0.75%になると見込んでいる。

中銀は今年、2度の利下げを行い、政策金利を過去最低の1.00%とした。また、必要な場合には追加利下げを行う方針を明らかにしている。

オーストラリア連邦統計局が4日発表した第2・四半期の実質国内総生産(GDP)は前年比1.4%増と、約10年ぶりの低い伸びとなった。

インフレは中銀の中期目標である2─3%を下回っている。一方で、雇用は最近力強い伸びを示したものの、失業率は今年の大半は5%を上回っている。

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