[東京 4日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は続伸した。前日の米国株安を嫌気し、反落スタートとなったが、米10年債利回りの上昇と連想する形でドル/円が円安方向に振れ、市場の安心材料となった。午後にかけてしばらく前日終値を挟んで一進一退の動きが続いたが、アジア株の堅調推移を背景にじり高となり、プラス圏を維持して取引を終えた。

プラス圏を確保したものの、引き続き商いは薄く、さらなる上値追いには決め手となる材料も不足している。市場からは「中国株などの上昇を好感する格好で買われているが、売り物薄の中でショートカバーが中心で、本格的な上昇とは言えない。懸念材料も完全に払拭されたわけではない上、時価水準は居心地が良い感じで、ここから抜け出すには新たな材料が必要だ」(東洋証券・ストラテジストの大塚竜太氏)との声が出ていた。

前日の米国株市場では、8月の米ISM製造業景気指数が2016年8月以来初めて景気拡大・縮小の節目となる50を割り込み、米中貿易摩擦の世界経済に与える影響が懸念された。

日経平均については「2万円のところはPBR(株価純資産倍率)1.0倍の水準が意識されて底堅いが、2万1000円割れの水準が長らく続き上値も相当重い。以前はトランプ米大統領も選挙が近づいてくると妥協点を探るとみられていたが、今は楽観視できなくなってきた」(東海東京調査センター・シニア ストラテジスト、中村貴司氏)との声が出ていた。

TOPIXは反落。業種別ではパルプ・紙、鉄鋼、金属部品などが値下がり率上位となった。一方、海運業、その他製品、医薬品などは買われた。

個別銘柄では、指数寄与度の高いファーストリテイリング<9983.T>が続伸。3日に発表した8月の国内ユニクロ既存店売上高が前年比9.9%増加だったことが好感された。市場からは「外需系に不透明感が漂う中、国内系の小売業の調子のいい銘柄は物色されやすい」(国内証券)との声が出ていた。

そのほか、電線専門商社の泉州電業<9824.T>が反落。同社は3日、2018年11月─19年7月期の連結経常利益が前年同期比8.4%増の29億7600万円だったと発表した。第3・四半期累計では増益での着地だが、5─7月期に限れば営業利益は同10.5%減の8億2600万円と減速していた。銅価格の下落による販売価格の低下などが影響した。

東証1部の騰落数は、値上がり482銘柄に対し、値下がりが1587銘柄、変わらずが81銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      20649.14 +23.98

寄り付き    20578.67

安値/高値   20554.16─20694.35

TOPIX<.TOPX>

終値       1506.81 -3.98

寄り付き     1505.66

安値/高値    1501.11─1510.79

東証出来高(万株) 90011

東証売買代金(億円) 15931.52