[アンカラ 3日 ロイター] - トルコ統計局が発表した8月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比15.01%と、7月の16.65%から鈍化した。昨年5月以来の低い伸びとなった。

ロイター調査によると、上昇率の市場予想は15.51%だった。

8月のCPI上昇率は前月比では0.86%。市場予想は1.3%だった。

同国のCPI上昇率は昨年10月に前年比25%を超え、15年ぶりの高水準となっていた。しかしその後は低下し、中銀は7月に大幅利下げを実施した。

8月は運輸関連の価格が1.94%低下。食品・飲料の価格は0.77%低下した。

CPI発表後に通貨リラは上昇。1024GMT(日本時間午後7時24分)時点のレートは1ドル=5.7745リラと、発表前の5.8170リラから上昇し、1週間ぶりの高値を付けた。

8月の生産者物価指数(PPI)は前月比0.59%低下、前年比13.45%上昇となった。

ISインベストのエコノミスト、Muammer Komurcuoglu氏は「インフレ率が今後数カ月間にわたり低下を続ける見込みのため、中銀は追加利下げの余地を確保した」と指摘。

次回9月の政策決定会合までに「為替レートの予想外の上昇がない限り、同会合で政策金利は250ベーシスポイント(bp)引き下げられると予想する」とした。次回会合は9月12日に予定されている。

ただ、ここ数カ月に相次いで予想を上回る経済指標が発表されていることから、最大野党の共和人民党(CHP)は6月に、統計局の統計方法の調整は信ぴょう性を損ねたと主張する動議を議会に提出。

同党の広報担当は3日にツイッターへの投稿で「一連の値上げにかかわらず」CPIの前月比上昇率が0.86%にとどまったと指摘。統計局はどの住所から価格を集計しているのかを公表し、国民も「このように安くて妥当な価格」の恩恵を受けられるようにすべきだと皮肉った。

統計局は指標の内容が不正確あるいは政治の影響を受けているとの見方を否定している。

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