【猪瀬直樹】「精神病床数世界一」を改革せよ

2019/9/3
急激な少子高齢化が進む日本の社会保障費は膨張し続けている。このままの制度・構造で日本国は持続可能なのだろうか。
今後、社会保障を負担する若者も含めた多くの世代で、将来への「不安」は尽きない。
大蔵省(現財務省)が年金積立金などを使って公団や特殊法人に融資する制度「財政投融資」の暗部をあばき出し、行政改革を大きく進めるきっかけとなったノンフィクション『日本国の研究』(文藝春秋刊)。
同書で日本の官僚システムに切り込み、後に道路公団民営化にも取り組んだ猪瀬直樹氏は「日本国の不安」への処方箋として、医療・介護の構造改革が不可欠だと語る。
猪瀬直樹(いのせ・なおき)作家、元東京都知事、大阪府・大阪市特別顧問。1987年『ミカドの肖像』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『日本国の研究』で1996年度文藝春秋読者賞受賞。以降、特殊法人等の廃止・民営化に取り組み、2002年、小泉純一郎首相から道路公団民営化推進委員に任命される。東京大学客員教授、東京工業大学特任教授などを歴任。2007年東京都副知事。2012年から2013年、東京都知事。『Voice』9月号に「日本国不安の研究」の論考を発表。

増え続ける医療費の問題

──医療・介護産業に対する構造改革を提言する論考を『Voice』9月号に発表されました。なぜ、今、医療・介護の構造改革なのでしょうか。