ドンキ、営業経験がない「異色社長」誕生のわけ
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ここしばらくのドンキの戦略的意思決定(ユニーの買収やアジア進出)は、この体制移行を見据えてのものだったのではないでしょうか。
というのも、創業者の目の黒いうちに、「創業者・前社長の力を借りずに、それらドンキにとって新しく大きいチャレンジをやり切れる体制の構築」がドンキの狙いのように感じるからです。
個人的に、営業経験の有無やコンサル出身といった点は、本質でないと考えています。
私の知る限り、会社を大きくした(実質的)創業者・中興の祖のようなカリスマ経営者が総指揮を取っている時は、何か新しいことをするにしても組織の運営コストは一般的に小さいです。
カリスマ経営者に「右向け右」と言われれば皆それに従うし、やめろと言われればやめるし、やり切れと言われたことはやり切る という会社が多いのではないでしょうか。
カリスマ経営者が一線を退いて、優秀な番頭たちが会社を回すようになっても日常のオペレーションは問題なく回るというケースを多いでしょう。
しかし、戦略の転換や新規事業など、新しいチャレンジについては、その戦略の浸透・実行・完遂までの「人を動かす」ための手間(と時間)が、カリスマ経営者時代に比べて格段にかかるように感じています(当然、チャレンジが頓挫する確率も上がるでしょう)。
そう考えると、カリスマ経営者(や多くの創業社長)にとって、今回のドンキの事例は大いに参考になるような気がしています。
次の世代に完全にバトンを渡す前の準備として、
・チャレンジングな意思決定をする
・そのチャレンジの遂行を次世代に任せる
・やり切れるかどうか、限界まで口をを出さずに見守る
というのも、試す価値のある取り組みではないでしょうか。企業規模が大きくなると、優秀な1人の力だけで経営していくのは無理だ。そして、ある分野で成績を残している人が、必ず経営に向いているなんてこともない。記事では異色社長と言われているが、いたって自然で合理的な企業判断だと思うが。