【急増】テロリストへの「デジタル献金」が現実的な脅威に

2019/8/30

仮想通貨で資金集め

イスラム原理主義組織ハマスは欧米を中心に多くの国からテロ組織に指定され、従来の金融システムから締め出されている。しかし今年に入り、ハマスの軍事部門「イザディン・アルカッサム」は、ビットコインを使って洗練された資金集めを展開している。
イザディン・アルカッサムはサイトの最新版で、寄付に応じた人にそれぞれビットコインのウォレットのアドレスを個別に発行。これを使って暗号通貨で送金すると、法執行機関が追跡することはほぼ不可能になる。
緑色の旗と機関銃のロゴを冠したサイトは7カ国語版が用意され、当局に知られずにビットコインを購入して送金する方法を、優れた編集の動画で説明している。
さまざまな犯罪組織が以前から、ドラッグの売買やマネーロンダリングなどあらゆることに仮想通貨を利用しているが、テロリストの反応は鈍かった。
しかし、ここ数カ月、イスラム過激派のテロ組織がデジタル通貨で資金集めを試みる件数が増えており、テロ組織の資金を追跡する当局や組織は警戒を強めている。
個々のプロジェクトが集める資金は数万ドル単位で、比較的少額のように思える。ただし、テロ攻撃の多くは少ない資金で実行されている点に当局は注目している。さらに、彼らの仮想通貨の使い方は洗練されつつある。
献金を呼びかけるイザディン・アルカッサムのポスター。中央の黒塗りの部分には、本来ビットコインのQRコードが掲載されている。

犯罪組織に理想的な仕組み