北朝鮮SLBM実験準備か 米シンクタンク分析
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先日、金正恩委員長が視察したやつでしょうね。新型というよりも旧式潜水艦にSLBM発射区画を挿入したものっぽいですが。
当然、これをアメリカやロシアの弾道ミサイル原潜と比べてもどうしようもないことは間違いありません。原子力でもないので港から出たらすぐ沖合で鎮座しているしかないでしょう。
他方、このような兵器を北朝鮮が保有すれば米韓が先制攻撃を行う際のリスク計算は確実に複雑化し、結果的に抑止力をある程度向上させることが見込まれます。
北朝鮮は彼らの経済力や技術力の範囲内で着実に自前の抑止力を構築しようとしており、先進国と同じことが出来ていないからと言って馬鹿にしていると痛い目を見かねません。
敵ながら天晴れの精神で謙虚に北朝鮮の軍事戦略を観察していく必要があります。北朝鮮のSLBM実験は2016年に行われたきりで、3年余り行われていません。
その間北朝鮮は新浦で3本のミサイル発射管を備えた3000トン級の潜水艦を建設しており、先頃ほぼ完成したのでは無いかと見られています。
そこで新造艦、またはそこに搭載される新型SLBM北極星3(?)のテストが行われる可能性がある、というのは常々言われているのですが、今に至るまで実行はされていません。
そもそも北極星型SLBMは実験済みの北極星1で射程約1000キロ、地上発射型の北極星2でも2000キロ程ですから、対米攻撃に使うためにはたった1隻で米軍の警戒網を突破して太平洋を横断する必要があり、現実的に考えて不可能です。
よって現状では主に対日戦用の装備と考えられます。
とはいえ、日本にとってはミサイル防衛を無効にする兵器であり、北朝鮮にとっては、将来的に潜水艦発射長距離弾道ミサイルの開発に成功すれば、対米抑止力として一定の効果が期待できるのも事実です。
それだけに政治的なインパクトはそれなりに大きい為、このタイミングで、純粋な開発試験のためだけに発射実験をするかどうかは若干疑問に思います。
どうせやるなら、もっと政治的な効果が望めるタイミングを計るのではないでしょうか。
北朝鮮は衛星写真を撮られていることを先刻承知の上で、過去も様々な擬態やブラフをかけてきていますので、今回も準備のフリだけ、という可能性は十分あるような気がします。潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)は,実際の運用に耐えられるレベルにさえなってしまえば,
移動できる潜水艦からの発射となるため察知がしにくく奇襲向きであり,
現状の技術では迎撃も簡単ではなく,
それでいて甚大な被害が発生しうる,
という危険性の高いものですから,現時点でどの程度の脅威があるかはさておいても,北朝鮮の軍事ドクトリン自体は現代的で合理的である気がします。
少なくとも,北朝鮮によるソウル制圧を防止するために,あらゆる可能性を想定してシミュレーションを続けなければならない韓国政府(少なくとも,韓国軍)にとっては,悩ましい状況が続いていくのではないでしょうか。(日本にとっても対岸の火事ではありませんが)