[東京 28日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比30円91銭高の2万0486円99銭と小幅続伸した。朝方は買い優勢となり、高寄りして始まったものの、その後は見送りムードが支配し、前日比小幅高の水準で小動きの展開に終始している。前日の米国市場でダウ平均株価<.DJI>は120ドル値下がりして終えたものの、ドル/円が落ち着いて推移しているなど、方向感を示す材料が不足しており、前引け段階の東証1部売買代金は7000億円台にとどまり、薄商いとなった。

米中協議の進展期待が高まっていたものの、中国外務省が通商問題を巡って中国と米国が最近電話協議をしたという話は聞いていないと表明したほか、米2年債と米10年債の利回り逆転が一段と進行するなど、外部環境は不安定な状態が続いている。市場では「裁定売り残がリーマン・ショック当時のように積み上がるなど、先行きに対する警戒感が強い状態が続いている」(岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏)との指摘もあり、上値を積極的に買う動きは見られない。

そうした中、「警戒感が残っているため、不安が一時的に後退する局面であっても、輸出関連株は手掛けにくい。物色の矛先は内需関連株やディフェンシブストックに向けられることになる」(国内証券)といった声が出ていた。参加者が少なく、手掛かり難であるため、後場もこう着状態になるとみる関係者が多い。

個別では、ソニー<6758.T>が堅調となった一方、トヨタ自動車<7203.T>や前日に年初来高値を更新したSUBARU<7270.T>がさえない。資生堂<4911.T>、NTT<9432.T>などは高い。

TOPIX<.TOPX>は0.09%高で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は7642億3300万円で引き続き商いは薄い。東証33業種では、不動産業や電気・ガス業、陸運業など内需関連株の上昇が目立った。

東証1部の騰落数は、値上がりが813銘柄に対し、値下がりが1212銘柄、変わらずが121銘柄だった。