渋滞、駐車場不足……モビリティの問題は「MaaS」で解決できる

2019/8/28
最前線で活躍するイノベーターたちの講義をオンラインでお届けする動画講義『MOOC』。
今月は「テクノロジー・サイエンス」特集をお届けしている。
今回はその第5弾として、株式会社MaaS Tech Japan 代表取締役CEO 日高洋祐氏の「MaaS モビリティの新時代」を配信する。
私たちの「移動」の概念を覆すのではないかと注目を集めているMaaS(=Mobility as a Service)。移動サービスを統合して、ユーザーの利便性を高める新たなサービスが誕生するのではないかと大きな期待が寄せられている。
公共交通機関、自動車メーカーだけでなく、通信業界、不動産業界など様々なプレーヤーが参入してビジネスチャンスをうかがっている。
また海外ではフィンランドでMaaSの普及が進み、月額制で公共交通機関やレンタサイクル、タクシーなどが乗り放題になるサービスが生まれるなど人々の生活を変えつつあるという。
本講座ではMaaSの最前線を日高氏が「約3分×7回」で解説。MaaSが世の中に与えるであろうインパクトの大きさが垣間見れるだろう。
今回は第1話の全編、第2話以降の概要を紹介する。
無料公開中の第1話はこちら
MaaSのキープレーヤー
早速ですが、皆さん黒板に書かれている交通手段の特徴はご存知でしょうか。
左側の電車やバスなどは「大量輸送機関」と言われています。多くの人を早く運べるという利点があり、私たちも頻繁に使っています。
しかし、これらのサービスには短所もあります。それは「柔軟性」が低いことです。いつでも・どこでも利用するサービスとしては機能しづらいでしょう。
一方で右側のタクシー、カーシェアなどはいつでも・どこでも利用できますが、大量輸送機関の代替となることは難しいです。
今回お伝えするMaaSは様々な交通手段の特徴を踏まえ、最適な形でつなぐことが目的になります。
交通機関、ユーザーを統合する「MaaSオペレーター」が入り、「移動時間」や「輸送力」、「料金」を一つのサービスにまとめます。これがMaaSの概念になります。
現在、MaaSに関わる事業者は大きく分けて3タイプあります。
1つ目は鉄道、バス、自治体など「公共交通・都市計画系」の事業者。渋滞解消など都市交通の最適化に取り組んでいます。
2つ目は「スマホ・通信系」の事業者です。スマートフォンが普及して決済が便利に行えるようになるなど便利なサービスを活用してMaaSに参入しようとしています。
3つ目は「自動車業界」の事業者です。「自動運転」、「ライドシェア」が普及するとMaaSの世界観に近づきます。実際に海外ではそのような事例も見られます。
これらの事情を踏まえて、今後「交通ビジネス」はどう変化するのでしょうか。
お伝えしたとおり、様々なサービスが統合され、「出発地→目的地」の交通が1つサービスになります。つまり、これまで競合関係にあった交通事業者は競合他社ではなく、共にビジネスを「共創」する関係へと変化するのです。
MaaSを理解するために「ビジネス」と「テクノロジー」という2つの観点が必要です。
自動車メーカーなら製造して販売したら完了ですが、「as a Service化」すると定期メンテナンスの結果などをフィードバックできるようになり、ビジネスモデルも変化します。またユーザーからの使用状況のフィードバックを受け、それを踏まえた新車開発が実現するなど技術開発も大きく変わる可能性があるでしょう。
2018年1月、トヨタ自動車の豊田章男社長が「MaaSは自動車業界に100年に一度の大変化を起こす」と発言しています。
日本のMaaSは海外と比べ遅れているとはいえ、交通や自動車はお家芸です。世界で主導権を取るチャンスはまだまだあると思います。
今回の講義ではMaaSを7話でわかりやすくお伝えします。ぜひ最後までご覧ください。
未来の社会をつくるMaaSの全体像
「MaaS モビリティの新時代」では、第2話以降でその内容を詳細に解説する。
第2話以降のタイトル、内容は以下のとおり。
MaaSは2016年、フィンランドで誕生した概念だ。
自家用車依存の社会から公共交通、シェアサービスなどを活用して移動のあり方を変えようと様々なサービス考案されている。
MaaS先進国・フィンランドでどのようなサービスが提供されているのか。公共交通・オンデマンド交通乗り放題を実現した定額サービス・Whimを中心にお伝えする。
MaaSは近年、日本でも取り入れようという動きが出ている。
その現状を踏まえ、日高氏は「大都市圏と地方でMaaSに求められていることは異なる」と指摘する。
果たして、その違いとは?
移動距離に応じて費用が変動していた交通機関。
しかし「今後は交通機関も定額制になるのでは」と日高氏は予想する。
なぜMaaSの普及によって定額制が進むのか。日高氏がインターネットの進化と照らし合わせて解説する。
人口の増加が著しいアメリカ・カリフォルニア州。
サンフランシスコやシリコンバレーでは、渋滞や駐車場の確保などの課題を抱えている。
そんな中、注目を集めているMaaSが「Parkmerced」だ。
自治体、不動産ディベロッパー、ユーザーである住民が「三方良し」になるParkmerced。その画期的な仕組みを日高氏が明かす。
MaaSは海外だけでなく、日本の地方の課題解決にもつながるのではないかと期待されている。
特に「MaaSにより物流が円滑になり、高齢者の買い物の負担を減らせるのでは」と日高氏は予想する。
MaaSは地方にどのような影響を与えるのだろうか。地域通貨と組み合わせてMaaSを展開する飛騨高山の例を紹介する。
「MaaSのプレーヤーは公共交通機関や自動車メーカーだけではない。」
日高氏はこう語り、図を用いてMaaSのエコシステムを示す。
最終話ではMaaS関連ビジネス創出の可能性についてお伝えする。
アカデミア会員の方は、アプリにて全エピソードを視聴いただけます。詳細は以下の画像をクリックしてサイトをご覧ください。