[26日 ロイター] - トランプ米大統領は26日、日本の自動車に対する輸入関税引き上げについて、「現時点では」検討していないと述べた。日本との通商交渉が原則合意したことを受けた。

仏ビアリッツで開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)での記者会見でトランプ氏は、国家安全保障を脅かすおそれがある場合に輸入制限を認める通商拡大法232条に基づく関税引き上げを引き続き検討しているかとの問いに「現時点ではない」と応じた。その上で「私がそれを望めば将来的には可能だが、現在は検討していない」と語った。

トランプ大統領と安倍晋三首相は25日、日米通商交渉が原則合意したことを明らかにしていた。米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表によると、農業、工業、デジタル分野が対象となるが、米国が日本車に課している関税は変更されない。

原則合意の細部は明らかになっていない。

同合意についてUSTRの説明を受けた米企業の幹部は、「第一段階」の合意には日本から輸入する特定の工業製品の関税引き下げが含まれているが、日本車や日本製自動車部品の関税は下げられず、通貨問題といった非関税障壁にも対応していないと述べた。

フォード<F.N>、ゼネラル・モーターズ(GM)<GM.N>、フィアット・クライスラー<FCHA.MI>の米自動車大手3社で構成する米自動車政策評議会のマット・ブラント会長は声明で、原則合意には好感が持てるが、いかなる合意も自動車貿易における560億ドルの対日赤字に対処する必要があると訴えた。

「日本とのいかなる貿易協定も、米自動車メーカーに真の相互市場アクセスを保証する必要がある」とし、長年の非関税障壁に対処し、日本が「為替操作によって自動車輸出で不平等かつ不当に有利な立場を得ることを阻止する、強力で実行可能な規定を含む」協定であるべきだとした。

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