[ビアリッツ 25日 ロイター] - ジョンソン英首相は25日、英国が条件で合意しないまま欧州連合(EU)から離脱した場合、メイ前首相が合意した390億ポンド(478億8000万ドル)の離脱清算金を支払う法的義務はなくなるとの見解を示した。

英メディアはこれより先、ジョンソン氏がフランス・ビアリッツでのトゥスクEU大統領との会談で、合意なき離脱となった場合に英国が支払う額を100億ポンド以下に設定すると報じていた。

スカイニュースはこの額を90億ポンドと報じ、サンデー・タイムズは英国の法的支払い義務が70億ポンドにとどまる可能性があるとした政府弁護士の見解を伝えた。

ジョンソン首相はスカイニュースで、支払いを保留する意向をEU側に伝えたかとの質問に対し、「EU全体が理解しているのは、合意なき離脱となれば、390億ポンドはもはや法的に約束されたものではなくなるということだ」と答えた。

その上で「したがって、11月1日にはその390億ポンドから農家支援やさまざまな投資に充てる非常に多額の資金ができる」と述べた。

マクロン仏大統領に近い筋は6月、離脱清算金を支払わなければソブリンデフォルト(債務不履行)に当たるとの見方を示していた。また仏大統領府関係者は21日、合意のないまま離脱しても英国の支払い義務はなくならないと述べた。