【ダニエル・エク】14歳で起業、「こんな大金どうしよう」

2019/9/16
ダニエル・エクが音楽配信サービスSpotifyを立ち上げたのは2006年のこと。2年後のサービス開始から約10年でユーザー数は世界2億3200万人にまで拡大した(19年7月現在)。いまや大ヒット曲の目安として、Spotifyでの再生回数が引き合いに出されることも珍しくない。

当初は、頑固な音楽レーベルからライセンスを取得して無料配信するなんて絶対無理!と、出資者が見つからなかったが、エクの決意は変わらなかった。それは音楽を愛する人々に、「世界中の音楽が自分のポケットに入っている感覚」は、絶対支持されるという確信があったから。

とはいえ、その交渉過程で「髪の毛が1本もなくなった」と苦笑するエクに、リード・ホフマンが話を聞いた(インタビューが行われたのは18年5月29日)。
Listen to Masters of Scale at applepodcasts.com/mastersofscale and follow us Twitter.com/mastersofscale.
ホフマン 初の起業について教えてください。ウェブデザイン会社だったとか。
エク  私が育った地域には、起業という概念は存在しませんでした。労働者階級が住む地域でしたから、大学に行った人もほとんどいなかった。仕事といえば、大工とかペンキ塗りとかいった肉体労働でした。起業家なんて1人も知りませんでした。
(写真:Drew Angerer/GettyImages)