【最前線】ソニー復活の鍵となる「目」の正体
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ソニーに車載半導体の話を聞きに行ってきました。自動運転を実現する上でも、かなめになるのが「見る」という機能。話を聞きながら、ひとくちに「見る」といってもなかなか複雑だなと痛感しました。日本製の「目」で自動運転車を実現できるか。これからが楽しみです。
ソニーのイメージセンサーについて、歴史と、そして期待される車載分野について丁寧な説明があるインタビュー。
歴史については、記事からも伺えるように70年代から開発をしていた。それをやり続けたのが盛田氏の次に社長となった岩間氏。①に詳しいが、アメリカのベル研で発明されたCCDに未来を見つけた。そして競争相手も電機メーカーではなくフィルムのコダックと、明確に「広い意味での競合」を捉えられていた(②)、そして歴史はそうなった。ちなみに岩間氏の墓石にはCCDが張り付けられている。
そして、CCDで先行したにも関わらず、CMOSにシフトできたこともポイント。ここは2000年代前半に他社に供給していたCCDセンサーでリコールが発生したことも遠因としてはあったと思う(もちろん、そのなかでも双方のメリット・デメリットを理解してずっと研究開発をしていたからシフトできた側面はあったと思う)。
そして、車載。車載イメージセンサーの記事をこれまでもPickしてきたが、普通のカメラ・スマホ向けとは違う。
色については考えたことがなかったが、記事を読んで確かにと思った。昼だろうが夜だろうが見える、LEDが信号やテールランプに使われる中でちゃんと認識できる、もちろん温度や雨、逆光などの環境影響に常時かつ長期間耐えられることも重要。このあたりに興味ある方は③もご参照いただきたい。ソニーの車載への長期間の取り組みは、④でまとめた。
そのなかで記事からも伺えるのは、イメージセンサーは重要な一方で、イメージセンサーだけではだめなこと。複数のセンサーを使うということは、それらを合成・処理して制御をすることも必要になる。ここはソフト・アルゴリズムの世界、そしてそれに強い半導体の世界。自動車メーカーもセンサーメーカーも電子部品でも制御に強いメーカーも狙っている領域だろうし、そこを巡る争いがどうなるか。取れれば付加価値が大きいし、一方で取ることに拘ると採用や連携がうまくいかないリスクもある。
①http://www.shmj.or.jp/dev_story/pdf/develop71.pdf
②https://newspicks.com/news/4140371
③https://newspicks.com/news/2861059
④https://newspicks.com/news/40167611996年ごろから課レベルで開発が進められていたのが、「CMOSイメージセンサー」です。
最初は、CMOSはCCDに勝てないだろうと思われていました。
CCDほど画質が良くなかったからです。そのため、カムコーダーやデジタルスチールカメラのような、画質が強く要求される分野には使えなかった。
そんな中で参入ハードルが低かったのが、画質が粗くても許された携帯電話用のカメラです。
CMOSイメージセンサーは、低消費電力で高速というメリットがありました。これは、複雑な回路を入れられない携帯電話と相性がよかった。
そんなわけで、最初はあまり期待されていなかったCMOSイメージセンサーですが、ソニーは他社に先駆けて技術革新を進めていきました。