米、電子たばこで初の死者か 日本と違いニコチン含む
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「死因」の特定というのは、時に極めて難しく、特に持病のない方ではそれがさらに難しいと思います。このケースが電子たばこによる合併症と言い切るのは現時点ではなかなか難しいことではないかと思います。死後の解剖が行われている場合、原因の究明がさらに進む可能性はありますが、解剖が行われているかどうかもまだ公表されていません。
また、この方の背景に合併症があったかどうかも重要です。自己免疫疾患などの背景があった場合には、電子たばこの有無にかかわらず、突然の重度の肺炎で命を奪われてしまうこともあります。
背景として電子たばこに関して懸念されていることについて少し補足します。電子たばこは液体を中に詰め、その蒸気を吸うような構造になっています。その液体には、ニコチンに加えて、匂いを克服するために(そして若者への魅力を高めるために)8000種類もある様々なフレーバー成分が含まれています。問題は、これらのフレーバーを吸引した時の安全性に科学的実証がないまま使用されていることで、今後様々な健康被害を生む可能性が懸念されています。今回のケースはそれに該当するのではないかという報告ですが、早晩結論づけるのは難しく、さらなる精査とデータの蓄積が必要です。電子タバコや加熱式タバコが比較的安全だと思われている方もいらっしゃいますが、そんなことはありません。
もちろんそれらの中でも様々違いがあるわけですけど、基本的に有害だと思っていただいた方がよいかと思いますし、肺機能は時間とともに低下し、禁煙していただくとその低下速度は緩まりますが、低下してしまった分は改善しません。
ご自身の価値観で喫煙されることは否定しませんが、健康のためには禁煙は重要で、将来的な疾患リスクを考えると総合的には人生の質を上げることに喫煙は寄与しないのではないかと思います。電子タバコについては、先日WHOが明確に体に害である事を明示しました。今回は深刻な肺の病気と記載されていますが、市販されている電子タバコを吸って肺の病気が誘発されたとはっきり言い切るのは難しいと思います。
いわゆる市販されている電子タバコを吸っただけで深刻な肺の病気を誘発したのだとしたら化学的反応による肺炎や、アレルギー発作などでしょうか。
このニュースを見て電子タバコを吸わなくなるのであれば健康上喜ばしい事ですが、今回の死因と電子タバコの因果関係については不明瞭です。