[ワシントン 21日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が21日公表した7月30━31日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、一段と積極的な利下げについて議論されていたことが判明した。同時に追加緩和が続くような印象を与えないことでも一致したという。

FRBは7月のFOMCでフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2.00─2.25%に25ベーシスポイント(bp)引き下げることを決定。声明では、世界経済の減速や通商面での緊張、低調なインフレ率に関する広範な懸念が示された。[nL4N24W51E]

今回の議事要旨では、インフレ率が低過ぎるとの懸念を示した「複数の参加者が50bpの利下げを望んでいたことを示唆」。同時に追加利下げを検討している印象を与えることは好ましくないという認識で一致した。

さらに「全般的にあらかじめ設定された道筋をたどっているように見えることを避け、今後の情報によって政策の方向性が決まるという手法を取ることが望ましい」とした。

議事要旨発表後に米株価<.DJI>は値上がりを維持した。長期の米国債利回りは低下し、この日最も低い水準を付けた。10年債<US10YT=RR>は1.55%に、30年債<US30YT=RR>は2%近辺に下げた。

ベアードの投資ストラテジスト、ウィリー・デルウィシュ氏は「FRBは柔軟でありたいようだ。彼らは明らかに貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)といった問題を心配している」と指摘した。

トランプ米大統領は繰り返し、FRBの金融政策を批判している。トランプ氏は、米中貿易戦争が景気後退を招くという懸念を払拭しようとしている。

ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は同日、景気浮揚のためにフォワードガイダンスを用いるべきだと主張した[nL4N25H2JJ]。同総裁は今年のFOMCで投票権を持たないが、参加者の1人だ。

7月末のFOMCでは、金融政策手法の変更へ向けた議論も行われた。複数の政策当局者は、2007ー09年の景気後退でもっと積極的に米国債を購入しても良かったと指摘。一方、国債購入やフォワードガイダンスは、政策金利がゼロに下がった段階ではリスクの払拭に不十分ではないかという意見も上がった。

DAデビッドソン(シアトル)の債券トレーディング部バイスプレジデント、メアリー・アン・ハーレー氏は「FRB内で意見がかなり割れていることに驚いた。われわれは未知の領域に足を踏み入れており、FRBは正しいことをすべきかどうかでかなり迷っている」と話した。

*内容を追加しました。