香港で再び大規模デモ=「170万人」参加
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現地で取材しました。詳細は記事にしますが「過激化」は本当にごく一部のことで、全体としてはこんなに平和的で辛抱強いデモ参加者たちを見たのは初めてです。
デモルートの店も開けてるところが多くて、大混雑なうえに大雨が降ってるのに大きな混乱はなし。
学生主体だった雨傘革命との違いは、幅広い年代が参加し、一つの団体主導ではなく、NPOから職能団体まで緩やかに連携しながら香港当局に声を上げているところです。
毎週末のデモで疲れているかと思いきや、緩やかな連携で、無理な動員じゃないからこそ、まだ続きそう。特に催涙ガスやゴム弾などで取り締まりを強めた警察当局への怒りが強く、収まる気配はありません。ブルームバーグの、この記事内容は傾聴に値する。
https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-08-15/hong-kong-s-massive-protests-raise-ominous-questions-about-2047
以下、要約。
悲観論者にとって今の香港の状況は、中国共産党と自由な都市は平和共存できない事を示唆。
だが両者は平和共存しなければならない。
2017年に習近平が一国二制度は維持すべきと言った時、返還50年後の2047年以降も制度が延長されると解釈する人々もいた。
今は、2047年まで持たないとの見方さえある。
だが、貿易摩擦で米国からの圧力が高まる中、中国にとって、オープンな金融市場と海外とのコネクションがある香港は重要。
今の対立は政治的なものだが、香港の若者の不満はそれ以上のもの。
香港は世界で最も不平等な所の1つ。
ジニ係数で見ると、所得分配率はナイジェリアやモザンビークより低い。
香港の最低賃金は4.75ドル。
だが住宅はNYやロンドンより割高。
少数の高齢の富豪が産業を牛耳る。
中国の高額所得者上位5人の平均年齢は55歳だが、香港はなんと87歳。
香港を特別な場にしていたのは、懸命に働けば成功するとの信念。
今はもう無理。
北京が、香港の若者の怒りを鎮めたいなら、ここから始めるべき。
今のままだと、シナリオは3つ。
1つ目は、抗議活動の参加者の要求を受け入れ、より民主的な方向に進む。
これは最も蓋然性が低い。
2つ目は、武力介入に踏み切り、以後も弾圧を続ける。
その結果中国が失うものは多いが、肝心なのは、効果が薄い事。
参加者はあまりに多く、彼らは通りに出るのをやめないだろう。
3つ目は、9月になり学校が始まれば、自然に運動が縮小する事。
ビジネス界も、交通遮断や観光への悪影響を我慢できなくなる。
このシナリオが最も可能性が高い。
だが小康状態でしかなく、何かあれば、また燃え上がる。
海外の投資家は次第に、香港からシンガポールなど別の場に目を移して行くだろう。香港では、北京の中国政府支持者のデモも起きている。概して、そちらの参加者の方が世代的に上で、民主化よりも金銭的利益を前面に出している感じだ。いずれにせよ、住民が分断されつつある。ちなみに、フランス国営放送のニュースが報じたアンケート結果よると、香港の人々の約4分の1が自分を「中国人」だと考え、約4分の3が、自分は「香港人」だと考えているということである。