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サウディアラビアにある最大の製油・貯蔵施設に対するドローン10機による攻撃とのことです。損害はほとんど出ていないようですが、メッセージ性のある攻撃です。サウディアラビア・UAEによるイエメン侵攻は、戦況が進展せず、UAEはもはや手を引きたがっています。サウディアラビアが実質的に仕立てたイエメン暫定政府は、分裂してもはや機能していません。イエメンでサウディアラビアの攻撃を受けてきたフースィー派にすれば、今が攻め時でしょう。ドローンは、サウディアラビアが莫大な費用をかけている米国製兵器による空爆よりも比較にならないくらい安価です。
 今回の攻撃で不審に思われているのは、攻撃を受けたシャイバ製油所がイエメン国内のフースィー派支配地域から1,000キロほど離れていることです。UAEやカタールとはかなり近い場所であり、フースィー派がカタールからドローンを発進させたのではないかと、カタールを非難しようとする向きがサウディアラビア国内にはあります。
日経記事によると、

イエメン武装勢力、ドローンでサウジ油田を攻撃
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48688000X10C19A8FF8000/

シャイバ(Shaybah)油田からフーシー派支配地域への距離は1,000km以上とあります。

私がGoogle Mapで計測したところ、フーシー派の拠点であるサナアとシャイバ油田までの距離が約1,280km、https://www.ecfr.eu/mena/yemen 等で確認できるフーシー派支配地域からの目測最短距離は約1,100km、イエメン国境との最短距離は約450kmなので、塩崎先生コメントの「イエメン国境」というのは書き間違いだと思われます。

先日私のFacta記事(有料)、

シェール頼み「イラン封鎖」
https://newspicks.com/news/3984582

でも書きましたが、現在フーシー派が持っているとされる最新式の攻撃用ドローン「UAV-X」の射程距離は1,500 kmと言われているので、これが正しいとすれば、十分に狙える距離にあることになります。

(ちなみにこの時の攻撃は後に米軍によってフーシー派ではなくイラクからの攻撃だったと解釈が覆されている
U.S.: Saudi Pipeline Attacks Originated From Iraq
https://www.wsj.com/articles/u-s-saudi-pipeline-attacks-originated-from-iraq-11561741133 )

恐ろしいことに、この射程距離ではサウジアラビアの主要油田施設のほぼ全てがフーシー派支配地域からのドローン攻撃射程範囲に入っていて(記事中の図参照)、恐れていたことが現実化しつつあると思います。
攻撃に使われたドローンはフーシが”カセフ2K”と呼んでるイランのドローン、”アバビルT”だと思われます。
私たちはドローンというとついマルチコプターの様なものを想像しますが、これは固定翼の大型機で、30キロの弾頭を持ち目標に自爆攻撃をするもので、要するにスピードの遅い巡航ミサイルの様なものです。
従ってこれほどの遠距離の攻撃が可能なことはさして驚くべきことでもありません。(驚くべきはイランがこれほど大量のミサイルやドローンをフーシに供与しているという事実です)

フーシはこの他にも、巡航ミサイル”スーマール”、弾道ミサイル”ギヤーム”など射程1500キロを超え、サウジアラビア全土を攻撃できる能力を持つ多数の兵器を所有し、その越境攻撃回数は過去250回を超えます。

さて今回のシェイバー油田への攻撃ですが、フーシはサウジと共にUAEへの警告であると声明しています。
というのは、実はイエメン情勢は今大きな転換点を迎えつつあるからです。

去る8月10日にイエメンの暫定首都アデンは、UAEが支援する南イエメン分離主義者(南部暫定評議会派)が制圧し、サウジが全面支援してきたハディ大統領率いるイエメン政府は事実上力を失いました。

既にUAEがアラブ連合に派遣していた軍は撤退しており、あくまでフーシを倒しイエメン全土の制圧を狙うサウジと、ハディ支持のイスラーハグループをムスリム同胞団系の過激派と見なして排除し、イエメン南部を分離させて影響力を及ぼそうとするUAEの間には隙間風が吹いています。

連日のフーシによるドローンや巡航ミサイルによるサウジ攻撃は、油田の破壊といった軍事的成果を狙ったものではなく、両者への揺さぶりを狙ったものだと考えるべきでしょう。
シェイバー油田は143億バレルの埋蔵量であり、これは日本の約10年分の輸入量に相当する。
アラムコの重要油田の1つでもあり、アラムコのホームページにも僻地における大事な宝物という表現がされている。

仮にテロ行為により原油の供給が止まった場合には下記のAljazeera(カタールのメディア)の記事にもある通り世界経済への影響も大きく、ホルムズ海峡のリスクに加えて井戸元もリスクが高まっていると考えるべきだろう。

また、原油売買契約にはテロ等の不可抗力発生時には原油の供給義務が免除されるフォースマジュール条項が含まれている可能性が高く、供給できなかったとしてもペナルティは生じない。

https://www.aljazeera.com/news/middleeast/2019/08/drone-attack-yemen-rebels-sparks-fire-saudi-oil-field-190817132916661.html
航続距離1,000kmの固定翼無人航空機(ドローン)ですか.航続時間は10時間弱.ペイロードの爆弾の重量が分かりませんが,エンジン機で,全長,全幅3~5m,燃料は数10 L(10~20kg),離陸重量50kg以下か.構造材料は軽量で丈夫なバルサ(木材)がお薦め.
飛行は,当然,目視外ですが,衛星通信などを使った遠隔操作など高度なことを考えなければ,市販のフライトコントローラをAmazon
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とかで買って(1万円),固定翼機のモードを選択.緯度・経度のウェイポイントを入力して配線すれば,Ready to Fly.離陸からプログラムした飛行経路を自動で目的地まで飛んで行ってくれます.ペイロードの爆弾を除いた製作費は10,000ドルもしない.
爆弾を除けば,うちの研究室でも作れてしまうことに背筋が寒くなる.無人航空機というと高度なハイテク技術と思うでしょうか? とんでもないです.
「ドローン」は、最近でこそDJIが作るような複数のプロペラをモーターで回すもののイメージが強いが、無人航空機全般も指す。
記事に「ドローン」という言葉があるが、戦闘用の無人航空機ではないかと思う。攻撃をするために、プロペラ型のドローンだと、そこまで持っていく必要もあり攻撃者にとってはリスクが増える。あとは搭載できる武器量もプロペラ型は少ない(垂直に離着陸できるドローンは重いものは得意ではない)。