[ブエノスアイレス 16日 ロイター] - フィッチは16日、アルゼンチンの格付けを「シングルB」から「CCC」に引き下げた。大統領選挙の予備選結果を受け、債務不履行の可能性が高まったと判断した。

11日の大統領予備選で、野党候補のフェルナンデス元首相が現職のマクリ氏を抑えて首位に立った。

フィッチは、フェルナンデス氏勝利の可能性が強まり、国際通貨基金(IMF)が支援する緊縮計画の将来に疑問符が付いたと指摘。フェルナンデス氏の副大統領候補、クリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル前大統領がIMFプログラムに懐疑的とされ、こうした疑問が深まる一方とした。

「格下げは予備選結果を受け高まる政治の不透明感や、金融情勢の深刻な引き締まり、想定されるマクロ経済環境の悪化に伴い債務不履行かある種の再編に陥る可能性が高まったことを反映させた」と説明した。

同社は今年の経済成長率見通しをマイナス2.5%に引き下げ、政府債務の対国内総生産(GDP)比率が95%前後に上昇すると予想した。

来年の成長率見通しは横ばいとし、選挙後の主要経済政策を巡り見通しが利かず、かなり不透明な状況になる公算が大きいとした。

UBSグローバル・ウェルス・マネジメントの新興国市場ストラテジストは、フィッチの格下げでアルゼンチン債務の大方の見方が大きく変わることはないと指摘。「アルゼンチンはすでに、投機的等級(ジャンク)内にあり、若干水準は下がるだろうが、投資家にはほとんど新しい情報はない」と話し、他社の格付け再評価につながると予想した。

また、S&Pグローバル・レーティングも同日、アルゼンチンの格付けを「B」から「Bマイナス」に引き下げた。今年の経済成長見通しも従来のマイナス1.6%からマイナス2.3%に下方修正した。

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