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私の病院でも最近、紙で確認していた抗がん剤のチェックリストがタブレット化されましたが、ログインができない、充電されていなかった、画面が突然ダウンする、などの不具合が相次ぎ、紙なら1分で終わっていたことが、何十分も要したという事例が相次ぎました。その上、タブレットが機能しないので紙で対応をと提案したら、紙のフローはもう撤廃したので、タブレットの復旧を待ってくださいと言われてしまいました。停電したら、どうするのでしょう?
効率化し、現場のマンパワーを他の目的に割く、というなら緊急時には元の体系に戻せますが、例示されるように、シフトの人数を減らした場合、緊急時の対応には遅れが出てしまうかもしれません。
あるいは、放射線科で自動読影システムを導入して、システムを過信した挙句、医師の確認が減り、患者さんの取り違えの事故が増えたなどという事態になれば目もあてられません。
私たちは新しい技術が導入される、便利になるということ自体に踊らされてしまいがちですが、医療現場では患者さんをより安全に助けるというアウトカムから視点をずらさないことが重要だと思います。その上で、そのアウトカムを改善できると分かったテクノロジーなら、敬遠せず、積極的に取り入れていくべきだと思います。
先端技術によって働き方改革を進めるという考え方は理にかなっており、その整備に国の予算を投入しても良いかと思っています。例えば自動問診システムが導入されれば診療のスタート地点がゴールに近い位置から始まります(これまで100m走だったのが、50m走になるイメージ)。また、記事にあるように内視鏡からの診断や、放射線の自動読影などは効率アップにつながります(競歩からサイクリングやバイクに代わるイメージ)。
問題は、こういった技術の導入にかける予算になると思います。診療報酬は変わらないのに、設備費ばかり増額されてしまうと病院の赤字はどんどん膨らみます。
国レベルで施策を取らなければ変革はとてもスローになってしまいます。
昨年には、トプコンさんがAIとクラウドの組み合わせで、医師無しで”糖尿病性網膜症”を確定診断するシステムが認証されています。
https://www.topcon.co.jp/news/20181023-25608.html
記事中に出てくるGEヘルスケアさんも、偉大な創業者の名を冠したAIプラットフォーム”Edison”がありますが、機器装置からデータ取り込み→キュレーション→トレイン→デプロイ、の一連の流れをクラウド上のAIエンジンで処理しています。
頭部MRI撮像自動化、気胸の自動検出、読影ワークフローの改善などFDAに承認申請中です。
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00134/051700159/?ST=health
確実に残業は減り、業務改善に繋がり、夜勤などの肉体的負担が軽減されるため結果生産性は向上します。
あとは従来からの思考やマインドなどソフト面としていかにコミュニケーションを円滑で図っていくのかでしょうね。
伸びている病院や施設ほどIotやペーパーレス化しています。
どんどんやりましょう!
ただ、オペレーションとどう融合させるのかが鍵になると思います。既存オペレーションを前提としないでシステム導入できるか
既存オペレーションにシステムを合わせにいくのは悪手です
テクノロジーで、低付加価値業務を代替した場合に、これまでの「雑務」に慣れてしまった人たちが、どうやって本来の高付加価値業務に従事できるか?そこがポイントになります。
一家に一台お医者カバンで済むならそれはそれで良い世界。