【週末5分解説】景気後退入りのサイン「逆イールド」って何?
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「逆イールド」は金融の専門用語ではあるが、国債金利の期間構造に関する知識がなければ財政は語れないので、拙著の財政学の教科書(『入門財政学』日本評論社刊)にも、図を交えて語義を説明している。
過去のニュースを振り返ると年単位で懸念されてきた「逆イールド」ですが、これまでにも他の年限では起こっていたものの、ここにきて直近で市場において最も注視される2年債と10年債で発現したことでより一層リセッション入りへの警戒感が高まった感があります。
歴史はそのまま繰り返すかどうかはともかく、形を変えながら繰り返すとすれば、過去の同一の局面でどのように推移したかは知っておくに越したことはないかと思います。
「過去の逆イールドの経験則から今後を見通すとすると、たとえば2年10年スプレッドがマイナスを付けてから、リセッション入りするまでの期間は1990年代前半、2000年代初頭、リーマンショック時の直近3回で平均約18ヵ月、またS&P500に目を移すとこの間に高値を更新しているという調査結果が出されています(みずほ総研『米逆イールドは景気後退シグナルか』2018年7月30日より)」「逆イールド」なんて難しい言葉が一般紙に出てくることになるとは。この逆イールド、国債に関連した用語なので、通常の株式や為替の話よりもとっつきにくい部分があります。そこで今回は、金融市場における国債についての簡単な解説も含めた記事にしてみました。
イラストはまたもや、ゴルディロックス経済(適温経済)のもとになった童話「3匹のくま」のくまさんに登場してもらいました。私の手元にある絵本(福音館書店刊)は、くまさん一家が帰宅し、女の子(ゴルディロックスちゃん)が逃げ出すところで物語が終わります。心地よい適温経済の終わりを告げるくまさん一家の帰宅をイラストにしてもらいました。
くま(ベア)といえば、金融市場では弱気相場の象徴でもあります。歴史的に、逆イールド発生後の株式市場は、必ずしも下げ相場だったわけではないようです。今回は、強気相場のブル(雄牛)もイラストにする機会があるでしょうか。