[東京 15日 ロイター] - 15日の原油先物は軟調。米原油在庫が予想外に増加したことやリセッション(景気後退)懸念の増大、中国と欧州のさえない経済指標を背景にオーバーナイトで大幅安となった流れが続いている。

0034GMT(日本時間午前9時34分)までに、北海ブレント先物<LCOc1>は39セント(0.7%)安の1バレル=59.09ドル。前営業日は3%安だった。

米WTI原油先物<CLc1>は28セント(0.5%)安の1バレル=54.95ドル。前営業日は3.3%安。

米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)が14日発表した週間石油統計(9日まで)によると、米原油在庫が予想外に増加した。前週は生産が減少していた。一方、ガソリン需要が過去最高を記録し、燃料在庫は予想外に減少した。

米原油在庫<USOILC=ECI>は158万バレル増加。アナリスト予想は277万5000バレル減だった。増加は2週連続。在庫水準は4億4050万バレルで、5年平均を約3%上回っている。

中国国家統計局が14日発表した7月の鉱工業生産は前年同月比4.8%増と17年ぶりの低い伸びにとどまった。その他の経済指標も軒並み予想を下回り、米国との貿易摩擦が激化する中、中国景気の鈍化が深刻化していることが示された。

また、欧州連合(EU)統計局が発表した第2・四半期のユーロ圏域内総生産(GDP)改定値は、前期比0.2%増だった。貿易摩擦に伴う世界経済の減速や英国の欧州連合(EU)離脱を巡る不透明感を背景に、加盟国の経済成長が鈍化。ドイツ経済はマイナス成長となった。

このほか、米2年債と10年債の利回りが2007年以来初めて逆転し、世界最大の経済大国である米国がリセッション(景気後退)に向かっているという懸念が高まっていることが示された。