【革命】アメリカのベジタリアンが、肉屋に「転身」する理由

2019/8/14
「エシカルな肉屋」という新潮流
ここは、デンバーにあるウェスタン・ドーターズ精肉専門店。ケイト・カバノー(30)は枕ほどの大きさがある深紅の牛肉の塊から、腱を切り落とした。
「フラットアイロン・ステーキは、去勢牛の肉の中で2番目に軟らかい部分です」。注意深くナイフで肉を切り分けながら、彼女は説明した。「肩甲骨の上にある部位ですが、レースのようにきれいな脂肪が入っているんですよ」
肉屋になる以前、カバノーは厳格な菜食主義者で、10年以上肉を食べていなかった。動物に対する深い愛情と環境を尊重する気持ちからだった、と彼女は言う。
そして肉屋になったのも、全く同じ理由からだ。
カバノーは決して例外的な存在ではない。彼女と同じように、アメリカの食料生産システムに革命をもたらすために肉屋になり、しかも成功している元菜食主義者とビーガン(絶対菜食主義者)がいる。
「エシカル(倫理的)な肉屋」と称する彼らは、動物の健康を守り、環境を保護し、無駄の少ない食肉加工を実践することを第一の目標としつつ、草原や牧場で飼育された動物の肉を提供する店を経営している。
肉の塊を切り分けるケイト・カバノ―(Ryan Dearth/The New York Times)
「工場式畜産」に噴出する批判