クラミジアワクチン開発、予備臨床試験で有望な反応
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新たなワクチンが生まれそうですが、子宮頸がんワクチンが普及しない日本ではあまり関係ないことなのかもしれません。
予防接種はどんな予防よりも費用対効果が高く、有用な手段です。最近のワクチンでは副作用も軽度であり、対象となる全ての人が打つべきとされています。最近では中国人が日本にワクチンを打ちに来ており、ヘルスリテラシーの点で日本は劣ってきています。
注意しなければいけない点は、このワクチンが出来たからといってコンドームを使用したプロテクションをやらなくて良いという意味ではない事です。
HIVの予防法にPrEP(Pre-exposure prophylaxis)というのがあります。これは、抗HIV薬を性交渉の前に飲む事でHIV感染を予防する方法で、効果がある事がわかり広く普及してきています。これを知った多くの人がコンドームを使わなくても良いのだと勘違いしてしまったため、HIV以外の性感染症が増えてしまいました。
良いもの、良い技術をどのように使うかでその価値は高まったり下がったりする事を覚えておく必要があります。クラミジア感染症は性交渉によって感染する「性感染症」の中でも最も頻度が高い疾患です。自覚症状が乏しいのも特徴で、本人は自覚がないまま周囲に感染を広めてしまう場合があります。感染は女性で特に重篤な問題になり、腹腔内で炎症や癒着をおこして不妊症になったり子宮外妊娠の原因になったりしてしまいます。
今回の臨床試験はphase 1 trialだったようで、今後のワクチンの有効性を検証する臨床試験に期待したいです。日本で使用されるのはまだまだ先だとは思いますが、対象年齢はおそらく若年女性になると思うので、HPVワクチンと同様、副反応の問題が取り沙汰されなければ良いのですが・・・と今から少し心配しています。自覚症状で困っている方はほとんど産婦人科にかかるかと思いますが、実際には様々な影響を及ぼすのですが感染症とも思っておらず見逃されて不妊症の原因になったりしています。
比較的頻度の高い疾患です。
内科医をしていて診療することはあまりないのですが、たまにクラミジアによる咽頭炎の方を診たり、Fitz-Hugh-Curtis症候群といってクラミジアなどによる感染症の一形態として骨盤内の炎症が肝臓の被膜まで及び右上腹部が痛む病気があります。
クラミジア感染症の中で稀なそういった疾患ですら、救急外来をしているとたまにみかけますんでやはりクラミジア感染は非常によく見られる疾患なのだと感じています。
まだまだこれからな研究でしょうけれど、クラミジア感染が予防されるようになればその頻度の高さもさることながら、結果的に月経困難や不妊症が減ることも期待できますし、その効果は決して小さなものではないでしょう。