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古来から、軍隊の死者というのは戦闘そのものよりも、敗れて撤退する時にはるかに多くの死者が出ます。ナポレオンのロシア侵攻の時もそうでした。あるいは、武田家が最も壊滅的な損失を蒙ったのは、長篠の戦いの最中ではなく、その後の撤退戦でした。
 どうすれば戦争の犠牲者が出ないで済むのか、といえば、撤退戦になるような戦争をしない、ということに尽きます。そういう戦争をしてしまう原因を、指導部の責任、属人的なものと考えるのは、やや古い考え方でしょう。「軍人たちが無能で無責任だったから」という見方です。
 指揮系統がタテ割りなのが問題だった、というのもよくいわれてきたことですが、ヒトラーの下で指揮系統を統一していたドイツも、無謀なソ連侵攻をやって、撤退戦で膨大な死者を出しています。米国、英国はシビリアン・コントロールを徹底して、大統領、首相の下で指揮系統が非常に合理的に整備されていたはずですが、将軍たちは功名争いで無謀な作戦を立てて失敗することも多かったし、ルーズベルトやチャーチルの作戦指導も、選挙を意識して無駄な犠牲の出る作戦を立てることがずいぶんありました。
 補給軽視というのも、日本軍が特に補給軽視な体質だったのではなく、戦線の規模が過去の常識をはるかに超えて膨れ上がったことに原因があります。ドイツにしても大変な補給の欠如で凍死者や餓死者、略奪者を何十万という単位で出しています。日本軍の場合、その現実を直視せず、(1940年のドイツを真似て)短期決戦で勝てる、という楽観的希望に縋りついた責任はあります。
 第二次世界大戦で勝った米国と、日本やドイツが何が違っていたかというと、産業力の差です。米国には、無駄な犠牲を出しても、戦線が世界中に広がっても、補って余りある産業力がありました。単に兵器や物資を大量生産できただけではなく、研究開発、物流や製品管理でも世界最先端でした。
 どこの国でも政治家や軍人は利己的だし、失敗を繰り返します。必要なのは、失敗を回復できるシステムと、それでも戦争を維持できる産業力、つまり、普段からの経済力でした。その認識が無かった時点で、日本やドイツが勝てる戦争ではありませんでした。
こうした記事の指摘は痛いほど分かるのですが、いつも肝心な視点がかけていると思っています。
それは相手の側に立つという視点です。

戦争は相手があってやっている以上、双方の戦略、戦術、外交力、兵器と兵員等の戦力、軍と国民の士気、生産力なと総合的に見て優勢な方が大抵の場合勝利します。
しかし日本の戦争分析は、日本のここが悪かった、というだけで、アメリカや連合国がどのような戦争準備を進め、いかなる戦略、戦力を持って日本と戦おうとしたかの分析がほとんど見られません。
自分たちの良いところや悪いところをああだこうだというだけで、何故か相手を見ようとしないのです。
だから勝利も敗北も、自分たちのリソースや意思決定だけで決まるのではなく、あくまでも相対的なものであることが分からないのです。

古今東西、敵を見て己を知れば百戦危うからず、というではありませんか。

今で言えば、自分たちの組織の都合に合わせて情勢を判断し、マーケットやテクノロジーの進歩や世界情勢を客観的に判断しようとしない様なものかもしれません。

今に続く日本の真の敗北の教訓はそこにあると私は思います。
私にはこの問題は、今もなお形を変えて繰り返されているように思います。

補給線の問題は、マーチン・ファン・クレフェルトの『補給戦』をかなり前に読みました。
かなり前に読んだため少し記憶が曖昧ですが、ナポレオンの頃から軍隊が大規模化するに従い、補給線の確保こそが戦争の勝敗を左右するようになったという点が指摘されていて興味深かったです。

つまりこの点は、第二次世界大戦のはるか以前からかなり明確であり、この点を(結果的に)大本営が軽視したのは何故なのだろうか?という点が以前より気になっていました。バカな人達が軽視した、というだけでは説明がつかないと言うか、何も学べないと思ったのです。なぜ人は組織だと愚かになるのか、ということを知りたいと思うのです。
この記事では縦割り組織の弊害として論じられており、なるほど、それは大きな問題だと思いましたし、吉田先生のご著書で勉強したいと思いました。

一方、なぜ戦線が拡大したのか、ということについて、以前、NHKスペシャルで「日本人はなぜ戦争へと向かったのか 戦中編 果てしなき戦線拡大の悲劇」という番組を観ました。こちらで今も観られます。
https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2011031734SA000/
この番組では、陸軍と海軍の天然資源の利権争い、そして、そこに群がる企業の姿を見ることが出来ます。
金のために戦線拡大が果てしなく続き、とてつもない人が果てしなく延びた前線で餓死・病死をされたし、また、略奪をしなければ餓死する中、多くの現地の人々から搾取をしたという点も見落としてはならないと思います。

愛する国の戦争における過ちから学ぶことが、過去の幾多の人々の死の上に生きる私達に求められていると思うのです。
310万人にも及ぶアジア・太平洋戦争の日本人犠牲者のうち、9割が「絶望的抗戦期」といわれる1944年以降に集中していることを、ご存知でしょうか。

それも、大半は戦闘による「名誉の死」ではなく、戦場に辿り着く前の海没死、そして餓死、戦病死……。

英霊たちはなぜ、これほどまでに無残な死を迎えなくてはならなかったのか。ロングセラー『日本軍兵士』著者の吉田裕氏に、日本軍兵士たちが置かれた悲惨な状況、そして日本軍失敗の本質について伺いました。

本稿が、終戦記念日を前に、戦争が引き起こしたリアルな現実を認識する一助になれば幸甚です。
補給がなくとも武器がなくとも休みがなくとも漠然とした「お上」のために倒れるまで働く
という精神は未だに継承されていると感じますし、1970年代生まれの私の中にも濃厚にある感情です。
そして確かにその精神は社会を回す力としては尊い部分もあると正直思っていますし、だからこその戦後日本の発展もあったのでしょう。
しかし、これから日本は人口動態だけ見ても撤退戦となるわけですから、
撤退戦は合理的に進めないとまさに太平洋戦争末期のある種の再現となりかねない。

どう失敗したのか?どうするべきだったのか?をこのお盆どきに考えるということは日本のメディアは戦後一貫してやってきたことで
それ自体にウンザリしている人も多いのでしょうが、やはり私はこの時期にこうした特集が組まれ、議論をする場があるのは重要で、続けていくべきことと思います。
結果論とはいえ組織図は多くを語る、です。
現在の日本も縦割りの弊害が言われて長いものの、ようやく変化しつつある。最近はティール組織ばやりですが状況によって組織形態は変化させるべきもの、指揮官のタイプも然りです。

吉田教授のインタビューを先日朝日新聞で読んだ、ちょっと衝撃だったなぁ。
死者の9割が44年以降に集中している事実を裏返せば、41-43年までの期間は戦争による死が遠かったということです。

この時期は本土空襲もほとんどなかったので、配給や情報統制で多少の不便はあるものの、多くの市民が日頃の苦労の成果が大本営発表につながっていると信じていました。

情報が入手しにくかった時代とはいえ、知らないこと、考えないことの怖さがあります。
GoかNo goか
一部の幹部はGoが死を意味することは分かっていたはずです。負けを意味することは分かったいたはずです。それなのにNo goと言えない。No go即ち非国民だったからです。No goということの方が名誉が傷つくからです。

これは日本軍の過ちだけではありません。日々企業の中でも起こっていませんか? 見たくないものは見えない。聞きたくない報告は聞かない。何とかなるはずだという無根拠な暴走。誰もホラーストーリーは描かない。描こうものなら上司の袋叩きに合う。これが多くのM&Aの失敗を作り、失敗プロジェクトを生み出し、回収できない減損を作り出してきた。止める人が尊敬されない文化が存在する日本。昔も今も。
日清戦争以来、日本は、ほとんど同じ組織としての過ちを繰り返していると考えています。

日清戦争、日露戦争は、偶然勝てたものの、太平洋戦争では、この記事のとおりで完全なデスマーチ。

実は、高度経済成長時代も、日清戦争や日露戦争と同じで、偶然勝てたのですが、今の時代は、まさに太平洋戦争と同じです。

GAFAやBATHのプラットフォーム戦略に対して、日本は、それを持っておらず、単発のビジネスで国内市場しかみていません。

そのよい例が「決済インフラ」です。世界の先進国で、日本ほど現金決済が残っているところはありません。

太平洋戦争が兵站で勝利が決したように、ビジネスでも同じです。

そして、兵站に相当するものが「データ」です。

米国では「海兵隊、デルタ」「レンジャー」「陸海空軍」という役割が違う組織が存在し、それぞれが異なる組織運営により、目的を達しています。

そういった意味では、GAFAやスタートアップが「海兵隊、デルタ」に相当し、IT企業が「レンジャー」、そして、その他の一般企業が「陸海空軍」かもしれません。

それに比べて、日本の企業は「陸海空軍」に相当するものしかないので、作戦には大きな制限があり、オペレーションにも限界があるということだと思います。
旧陸海軍の抱えた問題はその通りで、この時期になると毎年のように戦前の失敗が繰り返し論じられるのだが、果たしてそれが今の日本の組織運営に活かされているのかと思うとやや不安になる。
この連載について
まるで預言者(プロフェット)のように、新しい時代のうねりをいち早く紹介するNewsPicksのインタビュー集。本質を見抜く視点を毎週つむいでゆくことで、ちょっと先の未来を覗こう。