[東京 9日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比152円40銭高の2万0745円75銭となり、続伸した。前日の米国株高が好感されたほか、8月限日経平均先物ミニ・オプションの最終決済に関わる日経平均のSQ(特別清算指数)算出にからんだ特殊な需給要因も重なり、朝方から買いが先行した。その後は次の材料を待ちつつ高値圏でもみあった。

米国が中国の華為技術(ファーウェイ)との取引再開許可の決定を先送りしているというブルームバーグ報道の影響が懸念されたが、センチメントはそれほど悪化しなかった。中国人民銀行が発表した人民元の対ドル基準値が市場予想より小幅に元高で、当局の元安誘導を想起させるものでなかったことも安心感を与えた。

投資家の不安心理を示すとされる日経平均ボラティリティ指数(VI)は6日に26ポイント台まで上昇していたが、現在19ポイント台まで低下している。

個別では引き続き好業績銘柄に買いが入った。資生堂<4911.T>は8日に通期の連結当期利益予想を上方修正したことが好感され大幅続伸。1銘柄で日経平均を約25円押し上げる要因となった。

TOPIXは0.51%高で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆0888億円だった。東証33業種では、鉱業、精密機器、その他製品などが値上がり率上位に入った。半面、パルプ・紙、証券、ガラス・土石製品、銀行などが軟調だった。

市場からは「前日の米国株が素直に好感されたが、為替の円高基調は継続しており、日本株の上昇は長続きしないのではないか」(eワラント証券投資情報室長の多田幸大氏)との見方が出ていた。

東証1部の騰落数は、値上がりが1338銘柄に対し、値下がりが702銘柄、変わらずが108銘柄だった。